トゥルース 闇の告発
※予告編
原題は'The Whistleblower'。独加合作、レイチェル・ワイズ主演の実録社会派サスペンスです。共演もモニカ・ベルッチ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、そしてデヴィッド・ストラザーンと華やか。ただし監督は新人さんのよう。
高い報酬目当てで、ボスニアの国連監視団に派遣されたアメリカの女性警察官キャシー。いまだに続く過酷な状況の中、女性問題の担当に就き、次第にやりがいを見い出していく彼女だったが、ある日激しく暴行された少女たちを保護した事から、国連内部にまで繋がる“闇”を見つけてしまい…。
これは力作でした。“衝撃の真実!!”みたいなのが矢継ぎ早にこれでもかと登場。国連監視団といっても、その実態は民間軍事会社という普通の日本人にはそれだけで驚きの事実なんか冒頭だけであっさりスルーするくらい。
話の中心は、海外の人身売買組織からボスニアに連れて来られた少女たち。そしてその仕事は、何と国連監視団専門の慰安婦! しかもこのシステムの中に国連の幹部まで関与していて…という深さ。
ヒロインがボスニアにやって来たのも正義感に燃えて、とかじゃなく、離婚した元旦那から一人娘の親権を取り返す為に金が必要だからというリアルさ。監視団の中でも女性というだけで差別される彼女ですが、現地ボスニアの女性たちはもっと…といった感じで、非常に重層的な作りにもなっている。
こういう話だと知った時は、監督が新人だけに、肩肘張った重苦しい映画かなぁと思ってたんですが、描きたい事が多過ぎたのが良かったのか、全体にテンポが良くて辛気くさ過ぎるムードにはなってなかったです。あと、演出の緩急というのは出来てなかったのは残念(そうすればもっとサスペンスとして盛り上がったと思う)ですが、出てくるのがやたら美女ばかりなので、それで何とか一息つけるところも。やっぱり美人は得よねぇ…。
そんな感じで、中々に見応えのある作品でした。日本だけじゃなく、アメリカでもほとんど劇場で掛からなかったらしいですが、こういうのは賞でも取らないとちゃんと扱ってくれないのは万国共通なのかな?
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