イヤー・オブ・ザ・スネーク 第四の帝国

イヤー・オブ・ザ・スネーク-第四の帝国- [DVD]
8/2レンタルリリース ミッドシップ

原題は'Die vierte Macht'(英題'The Fourth State')。モーリッツ・ブライブトロイが主演した独製ポリティカルサスペンスです。共演は「バルバロッサ 帝国の野望」のカシア・スムートニアック。監督・脚本は「THE WAVE」「ブラッディ・パーティ」のデニス・ガンゼルです。

ドイツ人ジャーナリストのポールは、亡き父が立ち上げに関わったロシアのゴシップ誌に招かれ、モスクワへ渡る。ところが、仕事を始めたのも束の間、街中で、やはり父親と親交のあった有名ジャーナリストが射殺される現場を目撃してしまうポール。更に、そんな中で親しくなったカティアという女性と地下鉄に乗ろうとしていた時、先にカティアがホームに入った瞬間、爆破テロ事件が発生。昏倒したポールだったが、目覚めるとテロ事件の容疑者として獄中に入れられていた…。

こんな感じで、異国で身に覚えの無い事件に巻き込まれてるしまうという、まぁよくあるパターンの作品でした。ただ、前述のあらすじがまだ前半戦もいいトコというテンポの良さだったり、銃撃や爆破のタイミングが上手くて思わずワッ!となったり、主人公がゴシップ誌の記者という事で登場する夜のパーティシーンの華やかさもあったりと、中々に楽しませます。

ただ、全体を通してもの凄く気になったのが、過酷過ぎる刑務所シーンや鬼畜のような役人や軍人、歌声喫茶かよ!という若者風俗等々の、旧ソ連のイメージそのままのステレオタイプなロシアにまつわる描写。いや、実際そうなのかも知れませんが、話の内容からすれば、表面的には変わったように見えても内情は…という風にした方が効果的だったのでは?という気になりました。この辺のせいで、冷戦下に作られた作品と代わり映えしないように見えてしまう。

終盤も失速気味で、正直凡作かな?という出来でした。そうそう、ドイツとロシアの話なのに、何故か言語が英語がほとんどというのも気になりました。世界市場を目論んでの事とは思いますが、一応シリアスよりの作品な分、ちょっと違和感があったなぁ。