ローンウルフ 真夜中の死闘
- 出版社/メーカー: アメイジングD.C.
- 発売日: 2017/08/02
- メディア: DVD
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原題は'Late Phases'。「ザ・ヘル ネクストステージ」「NITRO ニトロ」のアルゼンチンのスリラー番長、アドリアン・ガルシア・ボグリアーノが遂にアメリカに渡って撮ったモンスターホラーです。しかも主演は「ステイク・ランド 戦いの果て」のニック・ダミチ! 更に「ブラッディ・ホワイト 白の襲撃者たち」のイーサン・エンブリーに、トム・ヌーナン、ラリー・フェセンデン、そして「ハロウィンII」「スター・ファイター」「ジョーズ'87」のランス・ゲストという中々のキャスティング。
森にもほど近い高齢者専用居住地に引っ越してきた盲目の退役軍人、アンブローズ。だが夜になって、アンブローズは不気味な気配と物音に気づく。何と現れたのは狼男だった! 隣家の老婆を惨殺したのに続いて、アンブローズの家に侵入した狼男。盲導犬の必死の応戦もあってアンブローズの命は助かったのだが…。
唯一の“友人”を失った主人公。当夜が満月であり、ひと月毎に似た事件が続いている事を知った彼は、ここが最後の戦いの場所と悟り、一ヶ月後の“決戦”に備えて、周囲の聞き込みと準備を始める…という展開です。
要するに、時流に乗った言い方をすれば、ホラー版「やすらぎの郷」みたいなお話でした(w。ちゃんと橋○遼似の職員が巡回もしてるゾ!
それは冗談として、ボグリアーノ監督の腕の確かさがよく判る傑作でした。スリラー演出も巧みだし、最低限のセリフやシーンで、親子関係や宗教観、死生観なんてのもちゃんと見せていく。
そして、盲目の主人公が“敵”を察知するのが座頭市やデアデビル的な超感覚じゃなく、まるで犬のような嗅覚というが、狼男との対比としてよく出来てる。そういう意味ではこの邦題も、孤高の主人公と狼男モノに掛けたダブルミーニングで悪くない。
脚本も良いんだろうなあ…と思ったら、同じエリック・ストローズが脚本を書いたスティーヴン・C・ミラー監督作の'Under the Bed'の方は、そこまで評判が…みたい。やはり監督の腕に因るところが大なのかな?
全体の雰囲気は、これまでのボグリアーノ作品とは違っていて、ダミチが主演という事もあってか、ジム・ミックルの作品に近い渋めなノリでした。ボグリアーノ特有のフェティッシュ感も薄めで、まあコレは女っ気が息子の嫁と後は婆様くらいしかないせいもある(w。
あと、まだ五十代のはずのニック・ダミチの老けっぷりも見事。逆にランス・ゲストは変わったなあ。今の雰囲気は役には合ってたけど。
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