アサシン・ハンター

アサシン・ハンター 前編 [DVD]

アサシン・ハンター 前編 [DVD]

アサシン・ハンター 後編 [DVD]

アサシン・ハンター 後編 [DVD]


映画『アサシン・ハンター』予告編

原題は'Mission NinetyTwo I - Dragonfly'と'Mission NinetyTwo II - Energy'。スタッフ、キャスト共にほとんど知らない人たちが作った加独合作のアクションアドベンチャー。メーカーによると2014年の作品となっているんだけど、主演女優さん(製作と脚本も担当)の名前と役名でIMDbを調べても、2012年製作のTV用中編'Libelle'ってのと、2014年製作の'NinetyTwo'、今年製作の'Mission NinetyTwo: Dragonfly'と色々出て来て、どれがどれやら大混乱! しかも前編には監督が四人もクレジット!? 更にはキャストには我らがウーヴェ・ボル大先生の名前まで! こ、これは危険な予感…。

植物の成長スピードを倍化させる研究に成功した女性科学者ソニア。ところが、スポンサーで実験場として大森林を提供してくれたマッキンタイアから一方的に研究の打ち切りを告げられてしまう。そして、そのマッキンタイアの正体は麻薬組織のボスだった!? 彼を追っていたビルとアナの刑事コンビ。しかし、彼らも逆に罠にハメられ、クビになってしまう。こうして、マッキンタイアが密猟をおこなっているという問題の大森林へ、ソニア、そしてビルとアナは違う目的で向かったのだが…。

と、文章にするとこんな感じで、まあ普通なんですが、実際は、まず何とも地味なルックスのオb…じゃなくておネエさんのヒロインが大根演技を披露。そんな彼女の素性や研究の説明もままならぬまま、今度は刑事パートにチェンジ。こっちはこっちでグダグダした喋りが続いたかと思ったら、また女科学者の方へ…。以下、しばらくはその繰り返し! 演技も演出も脚本もヒドくて頭がクラクラしてしまいます。しかも、ここまででまだ10分弱! おい、まだ三時間近くあるよ、この映画!!

一応、その後の展開は、麻薬組織の背後には更なる巨悪が!? それに巻き込まれたヒロインと元刑事コンビは、何故かドイツまで逃亡したところで後編へ…という流れ。

後編になると、監督も一人に、そして何故かヒロインも孤高の存在になっちゃうから、幾分かは見やすくなりました。ただ、彼女の前に突然新キャラが出て来たかと思ったら、訳知り顔で喋り、すぐにいなくなる…の繰り返しになって、コレ話が繋がってんのか?状態に。

ちなみに、ボルちゃんもこのチョロっと出演組の一人。でも、ボルちゃんの演技が一番上手く見えるのはどういう事なのか?!

おそらくは、メイン監督と主演女優さんがお金を貯めて、ちょっとずつ撮っていった作品なのではないかと。だって、時間が経つ毎に、絵は上手くキレイに撮れてるし、女優さんも心なしか垢抜けて、最終的にはホントにジャケにあるような「トゥームレイダー」のララ・クラフトみたいな女戦士になっちゃうんだもの。後編のクライマックスになると、問題の森が再び舞台になって、おそらく同じ森の筈なのに、映像の出来は前編と後編で雲泥の差でした。

こんな感じで、人って成長するんだなあ…と実感出来る作品でした。とはいえ、映画としての出来は相当に壊滅的でしたけど。