ホワイトクラッシュ

ホワイトクラッシュ [DVD]
6/5レンタルリリース ミッドシップ


Snow Walker

原題は'The Snow Walker'。ファーレイ・モウワットの短編"Walk Well My Brother"を、同じモウワット原作の「ネバー・クライ・ウルフ」で主演を務めたチャールズ・マーティン・スミスの監督・脚本で映像化したカナダ製アドベンチャー映画です。主演は「父親たちの星条旗」「7つの贈り物」のバリー・ペッパージェームズ・クロムウェルも共演してます。

1953年、カナダはノースウエストでパイロット業を営むチャーリーは、副業の為に立ち寄ったエスキモーから結核に冒された少女を病院へ連れて行く様に懇願される。仕方なく彼女を乗せて帰路に着いたチャーリーだったが、彼が操縦する小型機にエンジントラブルが発生! 二人を乗せたまま人里離れた大湿原に墜落してしまい…。

この後は、少女を現場に残して近くの集落(300km!!)まで助けを呼びに歩き出したものの、文明に毒された男では北極圏の大自然は克服出来ず、逆に病身の少女に助けられる始末。少女からこの大地で生き抜く法を学び、言葉も通じ合わぬまま心を通い合わせ、そしてあらためて二人で歩き出す、という流れ。しかし短い夏(そうそう墜落したのは夏です)が終わり、気温が低下すると共に少女の病は悪化していって…。

IMDbでの評価が平均7.5点と高評価だったので注目していたんですが、確かに期待に違わぬ良作でした。まずお断りしておくと、邦題(原題もそうか)から想像される様なブリザードの中を必死にサバイブするみたいなのじゃなく、映画のほとんどが主人公と少女との交流で締められてる作品。で、その二人のバックに広がるカナダの荒涼とした大自然がホントに素晴らしかった。ヘンに綺麗綺麗な美しさを見せるんじゃなく、ちゃんとありのままの姿をじっくり見せる形なのも良かったなぁ。そんな大自然の中で深まっていく二人の絆を静かに静かに描いて行きます。

ペッパーも熱演ですが、少女役のコは地元の素人みたいですが、素朴な美しさがあって中々。そこはかとないお色気シーンもあるゾ! 彼女の語りや歌声が大自然に溶け込んで、ある種の呪術的とも言える荘厳な雰囲気も醸し出してました。

役者も地味だし、大きな盛り上がりは無いけれど、たまにはこういうのを見るのも良いんじゃないでしょうか。狩った動物をサバくシーンなんかもありますが、こういうのこそ子供に見せるべき映画なんじゃないかと思いました。