人造昆虫カブトボーグVxV#32

 国際カブトボーグ連盟、通称IKAの首脳陣に呼び出されたリュウセイ。何と今回の世界大会にライバル団体・ワールドカブトボーグチャンピオンシップ、通称WKCからの刺客が送り込まれているというのだ! 地下ボーグ界とも通じる荒っぽい団体から送り込まれた刺客を見つけ出す様に依頼されるリュウセイだったが、‘俺がそのWKCからの刺客だとしたら?’‘君の経歴は実にクリーンだ…算数と理科をもっと頑張りましょう’‘それ、余計なお世話…’‘ゆくゆくはWKC、そして地下ボーグ組織とも対決しなくてはならないだろうが、今はこの世界大会を成功させる事が第一なのだ’ 会議室の外でリュウセイの帰りを心配そうに待っていた勝治とケン。話は秘密だと語るリュウセイだったが、無意識にあっさりバラしてしまう(w。手分けして怪しいヤツを探し始めた三人だったが手掛かりは掴めず。だがホテルの前をヒゲの曲がったヘンな男が歩いてゆくのを発見! 彼の名はイギリス代表トーマス・アルバート(声/増田裕生)。周りを気にしながら去って行くアルバートの怪しい行動に、三人は後をつける事に。‘頭もヅラかなぁ?’ レストランで食事中のアルバートを監視しながら、勝治がプロフィールをチェック。‘イギリス代表、トーマス・アルバート選手、二十五歳。世界戦タイトル歴は無し。今年彗星の様に現われ、あれよあれよと言う間にイギリス予選を勝ち上がったラッキーガイ’‘何か怪しくないかぁ?’‘怪しいって言ったらねぇ…日本代表、天野河リュウセイ選手、十歳。世界戦タイトル歴は無し。今年彗星の様に現われ、あれよあれよと言う間に日本予選を勝ち上がったラッキーボーイ’‘えっ? 俺、パンフレットにそんな事書かれてたの? 何だよ! ラッキーボーイって!? 実力だぞ!!’ リュウセイが激高していると、ケンが何かに気がついた! ‘あいつ、エビフライの尻尾残した!’ 以後、エビフライの尻尾は食う食わない、パセリは食う食わないで言い争う三人(w。そんな事をしてる間にアルバートは自室に帰ってしまった。ルームサービスに化けて部屋に潜り込むと、電話をかけていたアルバートの口ぶりから、やはり彼が正体を偽っていた事が判明! ‘なぁ、あいつヅラだった?’ 三人が話し合っているとロイドさん登場。準々決勝のリュウセイの対戦相手があのアルバートだと言うのだ! 早速IKA首脳陣に報告するが準々決勝開始まで時間が無い。‘心配ならいらないぜ! 俺が勝てば良いんだろ?!’ その頃リュウセイのプロフィールを読みながら、アルバートは言い知れぬ闘志を燃やしていた! ‘君にだけは絶対に負けない!’
ウィンブルドンセンターコートみたいな会場で準々決勝第一試合スタート! ロイドさんたちはファミリーボックスから応援。アルバートのマシンはジニアス・チャンピオン・ジュニア、往年の名機のリニューアルモデルだ。‘チャージ3回! フリーエントリー! ノーオプションバトル!’‘チャージイン!’‘チャージイン!’ がっぷり四つに組み合う両者。‘お前の正体が何であろうと勝つのは俺だ! 行くぞ、トムキャット・レッド・ビートルV! サンダーストームクラッシャー!!’ リュウセイ、早くも大技を発動! 突風が巻き起こり、アルバートのヒゲ、そしてヅラまでもが吹き飛んでしまった! ‘カーティス!?’ 何とアルバートの正体は十年前、歴代最年少の十五歳で世界チャンピオンになったニュートン・カーティスだった! 十五歳で優勝したものの、その後はチャンピオンの重圧に負けて泣かず飛ばずになってしまったカーティス。何時しか人は彼の事をこう呼ぶようになっていた。‘十で神童、十五でチャンプ、二十歳過ぎればただの人’‘言うなぁッ!’ 負けるのが怖くて名前を隠していたんだろうと看破するリュウセイ。‘そんな臆病者が俺に勝てるものか!’‘天野河リュウセイ十歳、君にだけは絶対に負けない!’ニュートンは 日本代表が十歳だと知り、最年少記録が破られる事だけはなるものかと執念でここまで勝ち上がってきたのだ! ‘そんなに負けが怖いのか!’‘逆さ…’ リュウセイには負けた所で失う物は無いというアルバートの言葉に、一瞬リュウセイの心に隙が?! ‘行くぞ! 必殺! ロンドンブリッジフォーリンダウンバースト!!’‘覚悟しろ! ニュートン・カーティス! スーパーレッドアウトゴールデンマキシマムバーニング!!’ 両者大激突! トムキャットVがジニアス・チャンピオン・ジュニアを持ち上げ、勝負あったかに思えた瞬間!? ‘フォーリンダウン!!’ 土煙に包まれるフィールド。それが晴れた時、何と場外にトムキャットVが!! カーティス完勝!? 勝治たちも呆然! チャンプの復活に歓喜に包まれる観客席。‘ごくろうだったね、リュウセイ君’ ベルギー製の高級チョコレートをお駄賃代わりに貰い、追い立てられる様にして会場から連れ出されるリュウセイ。呆然としたまま日本へ帰国し、ロイドさんの店に到着。しかし貰ったチョコを食べると思わず大粒の涙が…。やっと負けた事の悔しさを実感したリュウセイは号泣。思わず勝治とケンも貰い泣き。すると‘リュウセーイッ!’‘リュウセイくぅーんッ!’ 店の外にはビッグバン、いや天野河大輝やベネチアン等歴戦のライバルたち、歴代マドンナが総出で出迎えていた! ‘お帰りーッ!’‘良くやったな! リュウセイ!!’‘親父! みんな!!’‘リュウセイ、今のお前に贈る言葉がある!’‘親父ぃ?’‘来年もあるッ!’ 親指ビシィッ!! ‘そうだな! 泣いてる場合じゃないッ!’ 思わず走り出したリュウセイ! そして勝治、ケン! ‘リュウセイが初めて挑んだ世界選手権はベスト8という結果に終わった、だがそれは新たな挑戦の始まりである!’‘ありがとうみんな! 俺は何時か必ず世界チャンピオンになってみせるッ!!’ 頷く大輝! 明日へ向ってジャーンプ!! ‘行くぞ! 勝治! ケン!’‘おーうッ!!’‘天野河リュウセイ選手の次回の活躍にご期待下さい!’‘チャージ3回!’‘フリーエントリー!’‘ノーオプションバトル! 行くぜ! 俺のトムキャット・レッド・ビートルV!!’…つづく(ドーンッ!)。
何だ、この打ち切りマンガEND(w。どうせ偽名だったからリュウセイの反則勝ちかと思ったら、あっさり世界大会編終了しちゃったよ! 終盤の意外な展開に思わず貰い泣きしそうになった自分の立場は(ww。伏線みたいなIKAやWKCも今後出てくるかなぁ? 脚本/千葉克彦