キル・ザ・ギャング 36回の爆破でも死ななかった男

キル・ザ・ギャング [DVD]

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原題は'Kill the Irishman'。監督・脚本/ジョナサン・ヘンズリー*1&主演/レイ・スティーヴンソンという、ある意味「パニッシャー」コンビによる実録クライムドラマです。共演が凄くて、ヴァル・キルマーヴィンセント・ドノフリオヴィニー・ジョーンズロバート・ダヴィ、ボブ・ガントン、ポール・ソルヴィーノ、そしてクリストファー・ウォーケン!とイイ顔した役者たちがズラリ。綺麗どころはリンダ・カーデリーニとローラ・ラムジー(「ザ・キングダム 砂の惑星」)だけなのでちょっとアレですが。

1970年代のクリーブランド。孤児から港湾労働者の組合長にまでのし上がったアイルランド系の青年ダニーだったが、汚職を摘発され、収監を免れる代わりに組合から追われてしまう。だが、街を仕切るイタリア系マフィアに取り入り、かつての仲間たちと共に再びのし上がり始めて…。

時代の風俗を背景に、裏社会をのし上がっていくヤクザを描くという、良く言えばアイリッシュ版「グッドフェローズ」といった内容。

で、イタリア系の場合、とにかくファミリー絡みの人間関係を軸にしたお話になりがちですが、本作の主人公はとにかく腕っぷしの強さと度胸だけでのし上がっていく! 気に入らないヤツが前を塞げば直ぐにボコボコ! その時も、事が終った後も何事も無かったように振舞うクールさ、というかクレイジーさ! また、自分の邪魔をするとなったら、仲間だろうがダチだろうが容赦無く潰す!

まぁ、そのせいで後半戦は命を狙われ続けるという展開になっちゃうワケですが(w。それにしても爆破シーンが多かったなぁ。

そんな感じで、久々の実にヤクザ映画らしいヤクザ映画で面白かったです。欲を言えば、主人公のキャラのせいもあるんだけど、成り上がっていく際の高揚感みたいなのがもう少しあれば楽しかったかな。あと、個性派俳優を大挙出演させた割りには全員を活かし切れてないってトコも。まぁ、監督の前作を考えたら上々の出来ではあります。

グッドフェローズ [Blu-ray]

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で、本作と同様にWOWOWでプレミア放映されたレイ・リオッタクリスチャン・スレーター主演の「ザ・マーダー」もDVD化されます。

原題は'The River Murders'。ソコソコの出来程度のサイコスリラーですが、最近のチャンスレ主演作の中では珍しいちゃんと見られる作品。

スレーターと言えば、初期の代表作のアレがやっとDVD化されます。

ヘザース [DVD]

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*1:実録・リアル食人族」は何だったのかなぁ?