陰謀の戦艦


3/27レンタルリリース ミッドシップ


Deadwater Trailer

原題は'Deadwater'(別名'Black Ops')。ランス・ヘンリクセンと「ソードキング」のゲイリー・ストレッチが主演した海洋スリラーです。監督は「弾突 DANTOTSU」のロエル・レイネで、脚本はレイネと「ZANKOKU 残酷」のイーサン・ワイリーの共作。

現代のペルシャ湾。手配中だった凶悪テロリスト、ファダウイを拘留し、尋問していたはずの戦艦からの通信が途絶えた。ファダウイを追っていた退役間近の老雄ウィレッツ大佐率いる特殊部隊が、この博物館級の老朽艦に乗り込むが、そこには乗組員たちの惨殺死体の山が! 辛うじて生き残っていたのは大佐の息子コリン以下、数名に過ぎなかった。姿を消していたファダウイも発見し、帰還しようとしていた矢先、今度は兵士たちが次々に死んでいって…。

ジャケは完全にミリタリーアクション風ですが、その実態は…?!


【以下、ネタバレ】

序盤から薄々判る様にはなってるんですけど、実はこの老朽艦に巣食っていた超戦士の亡霊が取り憑いて…というオカルトスリラーなのでした。ジャケから純粋なアクションを期待したヒトは怒るかも知れませんが、B級映画好きとしてはこういう裏切りは大歓迎! のはずだったんですが…。

正直言ってこの監督と脚本家のコンビ、スリラーを撮るには手順の踏み方、段取りのつけ方がマズ過ぎ! 先に書いた様に序盤からネタは割れてるのに、それが明らかになる(お約束通りに真相を知っていた上層部の意を汲んだヤツらが…というパターン)までがチンタラチンタラ長過ぎる! そして、いざ真相が! という最大の見せ場も盛り上げ切らず、クライマックスの亡霊との対決も相当に微妙な出来。

それに、話の発端だから捕まえたテロリストを拷問するのは許すとしても、冷静な軍人風のヘンリクセンや軍の外れ者っぽかった息子までもが、寄ってたかって話も聞かずにテロリストをボコボコにぶちのめすのは見ていて気分が悪かったです。おかげで誰にも感情移入出来なくなって、話に興味が持てなくなってしまった。

そしてわざわざ主役を親子の設定にしている割りに、その関係性の見せ方や話への絡ませ方も全然出来てない。普通、確執のあった親子が事件を解決する為に和解するってのが、ベタではあるけど話を盛り上げる手っ取り早い方法だと思うんですが、いがみ合うでも無し馴れ合うでも無し。

冒頭部分なんか、割りにしっかりした映像で期待させてくれるんですけどねぇ。兵士なんだか科学者なんだかよく判らないおネエさんのシャワーヌードもあるけど…。うーん、残念な作品でした。