ルックアウト 見張り

ルックアウト/見張り [DVD]

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原題も'The Lookout'。「マイノリティ・リポート」「ザ・インタープリター」の、と言うよりも、個人的には「ゲット・ショーティ」「アウト・オブ・サイト」と、エルモア・レナード作品の脚色化に成功しただけでリスペクトしたい名脚本家スコット・フランクの初監督作となる青春クライムドラマです。主演は「BRICK 消された暗号」のジョセフ・ゴードン=レヴィット。共演に「敬愛なるベートーヴェン」のマシュー・グード、「ウェディング・クラッシャーズ」のアイラ・フィッシャー。更にジェフ・ダニエルズカーラ・グギーノも出演してます。

高校アイスホッケー部の花形選手だったクリス。だが彼の無謀な運転による自動車事故で同乗していた親友を亡くし、自らもメモを持たないと生活すら出来ない記憶障害を負ってしまう。昼間はリハビリ施設に通い、夜は銀行の雑用係。そんな鬱々とした日々にフラストレーションを感じていたクリスは、ある夜バーで姉の友人だというゲイリーと出会う。彼の紹介で、事故以来初めての彼女も出来、次第に生きる希望を見い出すクリスだったが、突然ゲイリーから銀行強盗の手引きを依頼される。‘かつての栄光を取り戻す為には金が必要だ’とけし掛けるゲイリーの言葉にクリスは…。

主人公の事を唯一気に掛けている盲目の同居人に言われなくても、彼がハメられてるのは最初から誰の目にも明らか。おそらく主人公も薄々勘付いてる筈。まぁ本作のキモは、あくまでも主人公の自己喪失とその回復なので、この辺は余り重要じゃない。

それは見ていて理解出来たんですが、それにしてもちょっと描写がシリアス過ぎかなぁと。見る前にレナード的な軽快な犯罪映画を勝手に予想&期待していただけに。よく考えれば、スコット・フランクは「リトルマン・テイト」の脚本で頭角を現した人なんだから、こっちが本来の持ち味なんでしょうけどね。

それでも、いざ犯行が決行されてからの話の転がし方は流石に巧み。主人公の記憶障害という設定もここ一番で上手く使われていて見応え十分。最後の締め方も悪くない。

ところで、先日発表された実写版「AKIRA」でゴードン=レヴィットが“鉄雄”役に決定?! って記事を見たんですが、もしホントならキャスティングディレクターはこの映画での苦悩する演技を見てオファーを出したんじゃないかな。見た目もデコ助野郎って感じだしね(w。