WEAPONS ウエポンズ

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原題は'Secret defense'。フランス映画祭2009ではそのまま「シークレット・ディフェンス」というタイトルで上映されたスパイサスペンスです。出演は「ル・ブレ」のジェラール・ランヴァンと「クレアの純真」のヴァイナ・ジョカンテ。監督は「ひとりぼっちの狩人たち」で音楽を担当していたフィリップ・ハイムというヒト。

卒業が怪しくなった女子大生のディアヌは、フランス諜報組織のアレックスにスカウトされ、その美貌を活かした女諜報員に育てられる。一方、荒んだ生活を続けていたピエールは刑務所でイスラム組織に目を付けられ、そのままテロリストに仕立て上げられるのだった。そしてイスラム系テロ集団がパリで毒ガスを散布するという情報を得た当局は、敵のボスにディアヌを差し向けて…。

これは中々に見応えがありました。予告編を見た時点では、新米女スパイの成長と活躍を描いたフランス版「エイリアス」みたいなヤツかとも想像したんですが、一応現在の中東情勢を踏まえたシリアスなテイスト。そして、ヒロインとは対照的に流されるままにテロ集団の一員まで堕ちてしまう青年の姿を平行して描いていく事で、作品全体に深みを与えている。

作品全体は、主役二人の話に加えて、テロ計画を巡る攻防戦まで時間軸を巧妙にずらしながら描いていきます。ただし、この欲張りな構成のせいでちょっと判りづらくはなってるかな。イスラム系の見慣れぬ顔がわんさか出て来て、こいつ敵だっけ? それとも味方? みたいな混乱もあるし。

それと、普通の女子大生が女スパイになる過程の描写もちょっと端折り過ぎな感も。でもそれはスタイル抜群なヴァイナ嬢の脱ぎっぷりの良さに免じて相殺! 何しろ「渚のロリータ」*1なんて作品にも出てるコですから(w。“BBの再来”という惹句は言い過ぎだと思うけど。

クレアの純真 [DVD]

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*1:公開題は「アデュー、ぼくたちの入江」。