F.R.A.T. フラット 戦慄の武装警察

原題は'Edison'。ジャスティン・ティンバーレイクモーガン・フリーマンLL・クール・Jケビン・スペイシーという豪華な顔触れによる警察アクションサスペンスです。共演もディラン・マクダーモット、ジョン・ハード、ケリー・エルウェス、ロゼリン・サンチェス、パイパー・ペラーボと充実。何でこの面子で日本未公開に?!

事件解決の為なら強引な手法も厭わない武装特捜チーム、フラット。ある裁判をきっかけにフラットの傍若無人ぶりに疑問を持った若き記者ポラックが取材を始めると、彼の行く手には何者かの怪しい影が。一方、フラットに配属されたばかりの警官ディードもまた仲間たちの振る舞いに違和感を感じていた。そんな二人が接近しようとした時、ポラックとその恋人が何者かに襲われて…。

これはまた、日本未公開なのがすぐに納得出来る微妙な出来の作品でした。プロットがありきたりなのはB級映画の常なので良いんだけど、この映画の場合、一番肝心なフラットがどういう組織でどういう悪さをしてるのかがはっきりしない(冒頭でその“活躍”を見せてくれるんだけど、せいぜい多少強引かなというレベル)。

じゃあ記者の取材を通して徐々に…という展開でもない。そもそもこの記者が何を疑問に感じて取材を始めたのかすらもよく判らなかったり*1

軸がこんな風だから、お話には引き込まれないし、登場人物がどっちサイドの人間なのかなんて興味も沸かず、ただイライラするだけでした。

これは監督兼脚本のデビッド・J・バーク(「シークエスト」「キッドナップ」のプロデューサー)に才能が無いのが原因でしょう。本人はネタを小出しにして伏線を張ってるつもりかも知れないけど、そのセレクトや見せ方が適切じゃないから伝わって来ないんですよ。逆にいかにも奇をてらったダサい演出はあちこちにあってハナにつくつく。よくこんな駄脚本にこれだけのキャストが集まったもんだと、ある意味感心。才能の無駄使い以外の何物でもないのに。顔だけは広い人なんでしょうかね。

リリース日前後に木曜洋画劇場で放映される様なので、買ったり借りたりする前にチェックされるのが吉だと思います。

*1:これがはっきりするのはホントに最後の最後、それも唐突に言葉で説明するという最悪さ。