マッド・スピード

8/5リリース ニューセレクト

原題は'Road Wars'。自分がこの仕事に就いた1980年代のビデオ屋の棚には「マッドマックス」に便乗した有象無象の近未来バイオレンス映画がズラ〜っと並んでいたものですが、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が公開された今、我らがThe Asylum社が期待に応えて最新便乗映画を作ってくれました。キャストはよく知らない人ばかり。監督・脚本は「ドラゴン・オブ・ナチス」のマーク・アトキンスです。

ウイルスが蔓延！ 水資源は枯渇し、暴力が支配する世界に変貌した近未来。生き残った男女数人が砂漠の真ん中に作っていたコミュニティに、記憶を無くした男が現れて…。

こんな感じで、これぞ「マッドマックス」便乗！という設定。何故ウイルスが蔓延すると、水不足になるのかはわかりませんが(w。

そして、ウイルスに感染するとゾンビ化！ と劇中では言ってたけど、絵的にはヨダレだらだら状態で暴れる人狼っぽい姿に変貌し、コイツらが主人公たちを襲ってくるという流れ。

で、ウイルスに感染しても発症しない免疫を持った男が現れるという伝説があって、名無しの流れ者こそその男では？となり、彼をこれまた伝説にある研究施設に運ぼうとするが…という、何ともボンヤリした展開です。

一応、主人公はハナは無いし、中年太りしてるものの、肩にでっかいプロテクターを付けた革ジャンを着てたり、顔にペインティングした女戦士が車の屋根に付けられた火炎放射器をぶっ放したりと、それっぽい絵は連続します。中々出て来なくてイライラしますが、面白い格好をした悪者暴走集団（みたいなの）もちゃんと出て来るぞ！

でも、マーク・アトキンスの作品らしく、話は最後までボンヤリしたままだし、エログロもバイオレンス度も物足りない。というか、ほとんど同じプロットのゾンビドラマ「Zネーション」に人を取られて、こんなのしか作れなかったんじゃ？という気が。

シリオ・H・サンチャゴやブライアン・トレンチャード=スミスが作ってた、かつての便乗映画はもうちょっとマシというか味があったと思うんだけどなあ。思い出補正かも知れませんが。

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ブライアン・トレンチャード=スミスといえば、ジョン・キューザックとトーマス・ジェーンが主演した「ドライブ・ハード」も八月にリリースされるんでヨロシク。

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