キングダム・ウォーズ 魔界からの侵略者

原題は'Orc Wars'。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでもおなじみの魔獣オークが大挙人間界へ乗り込んでくるというファンタジーアクションです。主演は「バイオハザードIII」に出ていた(らしい)ラスティ・ジョイナーと「ファイナル・デッドスクール」のマシエラ・ルーシャ。監督は「ドラゴン・スレイヤー 伝説の勇者パラディン」等で編集をやってた人で、これが初の長編。

オークの軍団に追われる妖精界最後の生き残り、アレヤ姫。人間界との境界となる洞窟へ逃げ込んだ彼女を一人の男が救出する! オークが“ウィザード”と恐れるその男は二丁拳銃にショットガンで敵を粉砕したのだが…。

このオープニングと、予告編を見て貰えばわかるとおり、オークにドラゴン、ブロンドの妖精のお姫様が出てくるのに、しかも現代のアメリカが舞台なのに、映画の作りはほとんど西部劇というユニークな作品でした。

お話は、“ウィザード”と呼ばれた異世界との境界線を守ってきた男が死亡。そんな時、荒野に立つ一軒家に引っ越してきた戦場帰りの一匹狼が! 盲目のネイティブアメリカンから、新たな“ウィザード”に指名されたこの男がヒロインと人間界を守るべく、オークたちが魔法と恐れる現代の銃火器で闘う!!という、結構燃える流れ。

西部劇っぽいのは人物の配置もありますが、ヒロインに駅馬車ならぬサンドバギーの操り方を教えたりと、あちらこちらに散りばめられている。

ま、実際のところはファンタジーな世界観を作るには金がかかるし〜とか、「ローン・レンジャー」に便乗しようとか、そんなところだとは思いますが、ソレで面白くなるんだったらよろしいんじゃないでしょうか。

ぶっちゃけ、お話的にはそれほどの広がりを見せないし、ムチャクチャ面白いワケでもないんですが、このプロダクションの過去作同様、真面目に頑張って作ってるのが伝わって来て、悪い気はしない。

問題と言えるのは、オークがあまり強くない、というか弱いトコかな(w。特に、普通の木の椅子に縛り付けられてスタンガンで拷問されるオークなんて絵は見たくなかった(w。

クライマックスの取って着けたようなファンタジー演出が逆にいらないと思える、珍作アクションでした。

武装魔獣軍団 オークス [DVD]

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