エクスクロス 魔境伝説
悪しき因習に囚われた部落民たちが都会からやって来た美女を襲うという物語を、今の日本で映画化しただけでも賞賛に値するし、ヒロインを演じる松下奈緒が汚らしい男どもに襲われて、そのお嬢様然とした顔を歪ませ、白装束に着替えさせられて磔になるという一連のシチュエーションの素晴らしさ(入浴シーンまで披露!!)。更に鈴木亜美とサイコキラーと化した小沢真珠のチェーンソーvs巨大ハサミのバトルアクションも見応え十分。
そんな感じで、一つ一つの要素を抜き出せば魅力的なモノに溢れているのに、深作健太の不的確な演出が顔を見せる度に、それまでの盛り上がりを急速に萎ませてしまうんだよなぁ。特に、最初に書いたシチュエーションだけは素晴らしい松下奈緒のシーンから、実はちっともエロスを感じられないのは、完全に映画監督としての才能の限界を証明している。
それに、“ジェットコースタースリラー”と銘打ってる割りには、ダブルヒロインそれぞれのパートが完全に乖離、更に“その頃、彼女は…”って一々巻き戻す構成になっているせいで、一気に見せるスピード感を無くしているのはどうなのよ。まぁ、この構成だから“エクスクロス”ってタイトルなんだろうけどさ。
そんな感じで、これこそ非常に勿体無い作品でした。あ、アバン部分でエロい生贄役を熱演していた岩根あゆこだけには頑張ったで賞をあげたいと思います。
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