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トマホーク ガンマン vs 食人族

原題は'Bone Tomahawk'。カート・ラッセル主演の西部劇スリラーです。共演も豪華で、パトリック・ウィルソンマシュー・フォックスリチャード・ジェンキンスに、デヴィッド・アークエット、シド・ヘイグ、フレッド・メラメッド、ザーン・マクラーノンに、キャスリン・モリスといった面子。監督・脚本のS・クレイグ・ザラーは、「ザ・インシデント」の脚本を担当した人で、コレが初監督作です。

静かな田舎町、ブライトホープに一人の流れ者が現れ、保安官ハントは彼を逮捕、勾留する。するとその夜、牧場の黒人牧童が八つ裂きに殺され、馬も盗まれる事件が発生。更に、流れ者とその見張りをしていた保安官助手、そして保安官に撃たれた流れ者の介抱をしていたカウボーイ頭の妻、サマンサも消えていて…。

犯人は、近くの山地の洞窟に隠れ棲んでいた食人族! 妻を取り戻すべく、ラッセル扮する寡黙なヒゲモジャ保安官、頭領になったばかりなのに脚を骨折し、ロングドライブ*1から外されたカウボーイ(ウィルソン)、街に不似合いな洒落者ガンマン(フォックス)、女房に先立たれたお喋りな老いぼれ保安官補(ジェンキンス)の四人が敵地へ向かう!!という展開です。

で、こういう話なので、当然モリコーネ風のBGMが鳴り響く、残虐マカロニテイストというか、タランティーノ的な作品だと思うじゃないですか。「ヘイトフル・エイト」もあったばかりだし。

ところが本作は、食人族の墓地を踏み荒らした為にシド・ヘイグとアークエットの悪党コンビが襲われるアバンや、脳天をかち割られる牧童といったシーンもあるのに、淡々としたテンポと丁寧な会話が続く落ち着いたトーンでアレレ? BGMの類もほとんど無い!

そして、いざ追跡が始まっても、昼夜を分かたず馬を走らせ…となって勢いづくかと思いきや、怪我人がいるとはいえ、ちゃんと野営をしながら…というリアルさ加減。

しかし、役者が役者というのもあり、お話がちゃんと練られて作られ、心理描写もしっかりしてるんで、味は感じても退屈にはなりません。

そして、ようやく食人族の縄張りにたどり着いてのクライマックスは…まあ、見てのお楽しみという事で。

とりあえず、残酷描写はたんまりあるし、食人族やタイトルにもなってる骨製の斧が飛び出すタイミングなんかは、新人監督にしては中々上手かったと思います。

肝心の食人族ですが、予告編にもチラッと出てきますが、全身白塗りで骨の装飾具をまとった、いかにもな風体。

よく考えると、往年のハリウッド西部劇ならただの“インディアン”が白人の女房をさらって…で済むお話なんですね。それを現代に蘇らせようと、色々と配慮して食人族に設定を変え、それなら…となって作られた作品なんじゃないかと想像してしまいました。

こんな感じで、多少予想とは違いましたが、中々ユニークで味わい深い作品でした。カウボーイの妻役のリリー・シモンズのお色気サービスもありますし(w。

ザ・インシデント [DVD]

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難を言えば、最近のタランティーノ作品同様、この手の作品にしては尺が長い事くらい。

*1:故に町から男手が出払っていて…という設定になってるのは上手い。