ラスト・アンドロイド

ラスト・アンドロイド [レンタル落ち] [DVD]

原題は'Ainoa'。珍しや、オーストリア製の近未来SF映画です。

2014年。近づく最終戦争を前に、ある科学者が勝利の為の計画を実行に移す。それは、未来から過去へ情報を伝達する手段を開発した彼が、アンドロイドを使って未来からそれまでの歴史を現在へ知らせようという物だった。そして時は経ち、2078年。軍刑務所の奥深くに眠っていた女性型アンドロイド、アイノナがレジスタンスによって強奪された!

うーん。正直娯楽作として見ると、かなりしんどい出来でした。まず話の軸になるアンドロイド・アイノナの能力が、言葉で説明はされるものの、余りに要領を得ない代物なので、政府軍とレジスタンスが一体彼女をどうしようとしてるのかがよく判らないんですよ。

まぁ基本的には、世界制覇の鍵を握る美女を孤高の戦士が守って旅をするという、ありがちな話なので、ストーリー自体はボンヤリとではありますが理解出来るんですけど、思わせぶりなセリフのオンパレードな為にどうしてもボヤた感じになってしまうのも減点材料。

SFイメージの方も、CG等がショボいのは仕方ないにしても、どこかで見た事があるモノばかりなのは頂けない。特にアイノナがカンフーもどきの技を使ったり、政府軍の将校が日本刀を背中にしょってたり、折り紙が出て来たりと、アジアテイストが頻発するのはどうかと思いました。

役者も、ヒロインはアンドロイドというにはシワシワのお顔で生活感あり過ぎだし、それを守る戦士はツルッパゲだしで微妙だなぁ。

かつては映画史に残る巨匠を多く輩出したものの、現在活躍してるのはミヒャエル・ハネケとシュワルツェネッガー(こっちも微妙か)くらいなオーストリア映画界ですから、そういう希少な映画を見たい人なら、という感じですかねぇ。