ハードワイヤー 奪われた記憶

原題も'Hardwired'。キューバ・グッディングJr.主演の近未来SFアクションです。共演はヴァル・キルマーマイケル・アイアンサイド。監督は「メテオ 超巨大隕石激突」のアーニー・バーバラッシュで、脚本が「ゾンビ・ナース」のマイケル・ハーストです。

金融政策の失敗により崩壊した政府に代わって、超巨大企業ホープ社による監視社会が築かれた近未来。交通事故を起こし、意識不明の重体となって病院にかつぎ込まれたルークにホープ社が救いの手を差し伸べる。それは損傷を負った脳に新開発のチップを埋め込むというものだった。手術が終わり、意識を取り戻すルークだったが、全ての記憶を失っていて…。

この後は、お約束どおりに人体実験の被験者にされていた主人公が、大企業に歯向かっていた協力者たちの助けを借りながら、真相に迫るという流れ。

で、いきなり結論を言うと、出来は超のつく凡作でした。もちろん製作規模の安さのせいというのもあるけれど、とにかくスタッフのアイディアの貧困さがヒド過ぎる!

冒頭、近未来感を見せるのに使うのがネオンサインをビカビカ光らせながらビル街の上空を飛ぶ飛行船という時点で頭を抱えちゃうし、レジスタンスのリーダーを演じるアイアンサイドの役名が"Hal"っていうのも相当にキテる。

それに、監視社会と言いながら主人公を社員が徒歩で尾行してたりと、到る所にでっかい穴が開いててアチャーって感じ。

というか、こんな設定なら最初から現代社会を舞台にした方が良かったのでは? そうすれば、保険が切れた貧乏人から実験材料にされるというアイディアもより活きたモノになったはず。

そんな感じで、目新しい所皆無な作品でした。まぁ、そんなに期待しなければ暇つぶしくらいにはなるかな。