ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金


3/26リリース パラマウントジャパン

原題も'Pain & Gain'。主演/マーク・ウォールバーグ、監督/マイケル・ベイによる全米ナンバーワン大ヒットの実録クライムアクションが何とDVDスルーに! 共演もドウェイン・ジョンソンアンソニー・マッキートニー・シャルーブケン・チョン、そしてエド・ハリスという豪華版。脚本も「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」のクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーのコンビ。

1994年、マイアミ。フィットネスジムのトレーナー、ダニエルはアメリカンドリームを夢見るものの冴えない暮らしが続き、焦っていた。遂に同僚のエイドリアンとポールを仲間に引き込み、ジムの顧客カーショーの誘拐計画を開始するが…。

このキャストでマイケル・ベイだから、どんだけ大味かつ豪快なバカアクションが見られるのかと思ったら、意外にこじんまりした犯罪コメディでした。もちろん、スーパースローやド派手なカークラッシュ、更に人体破壊といったベイらしい映像はバンバン出て来るし、アクションシーンの一つ一つに結構なお金が掛けられてものの、いつも以上に何故そこでそんな絵を?!と違和感を感じてしまう。

それというのも、メインの三人が、今の言い方をすれば脳筋、要するに絵に描いたような筋肉バカ! バカ過ぎて友情すら生まれないレベル! ついでに言うと脇役も、おネエちゃんが頭空っぽなストリッパーだったりと、探偵役のエド・ハリス以外は揃いも揃って何処かヌケてるダメ人間ばかり!

そんなヤツらが一生懸命計画を練るものの、傍目から見ればとても成功するとは思えない雑さ。なのに本人たちは自信満々で、その根拠の源は自分らは“鍛えてる”から! そして発案者のウォールバーグを他の二人はデキるヤツと感心する始末…。

そんなグダグダの計画だから、当然のように中々上手く運ばず、実行に移っても進展せず、上手く行ったかに思えたら今度は更なるドツボへ…という流れに。

で、何をやっても上手くいかないバカどもの、犯罪すら満足に出来ないマヌケさは、笑えるというより悲しみ、哀れみすら感じさせる。要するに、頭も心も弱い人間たちが繰り広げる悲喜劇として見るのが正しいような作品でした。

んで、これでコンパクトにまとまっていれば、わりにイイじゃん!と思えたんですが、終盤になってもグダグダな展開は変わらず…。これ、二時間以上あるけど九十分程度に編集出来たと思うんだけどなぁ。

とはいえ、好みの役者たちが揃っていた事もあって思った以上に楽しめました。まぁ、自分は「バッドボーイズ」以来、マイケル・ベイの良い観客では無かったので、ファンの人は別の捉え方をされるかも知れません。

アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 (集英社文庫)

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