セール・オブ・ザ・デッド

原題は'I Sell the Dead'。英国製のゾンビホラーコメディです。主演はドミニク・モナハンで、ロン・パールマンに、パールマンが出演した「地球が凍りつく日」では監督だったラリー・フェセンデン、更には「ファンタズム」シリーズのアンガス・スクリムが出演してます。監督・脚本のグレン・マクエイドはスペシャルエフェクトが専門で、監督としては本作の後で「V/H/Sシンドローム」に参加してます。

十八世紀。死体泥棒と殺人の罪で死刑となり、執行の日が近づくアーサーが、牧師相手に最後の告解を始める。子供の頃から師匠ウィリーに付いて、死体泥棒を始めたアーサー。二人は基地外博士クイントにこき使われていたのだが、ある夜掘り出した女の死体が突然動き出して…。

女の死体はアンデッドだった! 早速、博士の下に運び込んだ二人。しかし、哀れ博士はアンデッドの餌食に…。

この後は、ゾンビが出てきてさあ大変!って流れじゃなく、のほほんと死体泥棒を続けるうちに二人が経験した死体にまつわるエトセトラ、世にも奇妙な物語を、いかにもイギリス映画らしいシニカルかつ牧歌的なトーンで描いていきます。死体の中には意外なアイツも!?

監督の本職が特撮マンということで、ホラー映像の出来は悪くない。それに特撮出身監督にありがちな、これ見よがしなところが無いのは好印象でした。ま、ゾンビというよりアンデッド、特に最初に登場する女アンデッドはまるで貞子というかリーガンみたいな死霊テイストですけど。その辺含めて、純然たるゾンビ映画ではないかな。

お話的な盛り上がりにもちょっと欠けますが、たまたま見るとか、何かのオマケで見たら得した気分になる事うけあいな小品だと思います。