くたばれ! ユナイテッド サッカー万歳!


※予告編
 原題は'The Damned United'。マイケル・シーンと脚本家ピーター・モーガンの「クィーン」「フロスト×ニクソン」のチームが、イングランドフットボール界が誇る名将の一人であるブライアン・クラフのリーズ・ユナイテッド解任劇を映画化したイギリス映画です。共演にはティモシー・スポールジム・ブロードベント、コルム・ミーニイといったイギリスのイイ顔したオヤジたちがズラリ。原作は犯罪小説家のデヴィッド・ピース。監督は「レッド・ダスト」のトム・フーパーです。
1974年。イングランド代表監督に就任するドン・レヴィーに代わって、強豪リーズの指揮を執る事になったブライアン・クラフ。予てから荒っぽいリーズのプレイスタイルを批判してきたクラフは、チームの改革を実行しようとするが、いまだレヴィーの愛着を持つ主力選手たちとぶつかってしまう。そのままの状態でシーズンに突入したリーズは過去二十年最低の滑り出しとなって…。
ブライアン・クラフについてはwikipediaを参照の事。
wikipedia:ブライアン・クラフ
まずサッカーファンの視点で見ると、現在と比べて牧歌的ともワイルドとも言える1970年代のイングランドフットボールの雰囲気の再現度に感動。随所に織り込まれる当時の映像だけでも十二分に楽しめます。
逆にサッカーファン以外の人がどう感じるかは…正直判りません。でも、リーズ就任以前のダービー・カウンティ時代のドラマと交互に描く事で、主人公がリーズに対して持つ複雑な感情を判りやすくしているし、単に勝った負けたの話ではないから大丈夫だと思います。
全体のテンポも非常に軽快。見る前は「レッド・ダスト」の監督だからシリアスなタッチなのかなぁと思ってたんですが、いかにもイギリス映画らしいユーモアがあって楽しい作り。これは主演のマイケル・シーン独特の軽さが良い方に出てると思います。何かと口を滑らしトラブルを起こす少々高慢な主人公は、ともすれば嫌味なヤツにしか見えないところを、彼が演じる事でどこか愛すべきキャラに見せているし。
という感じで、劇場未公開なのが勿体無い良作でした。少なくともイングランドフットボールファンは絶対に必見でしょう。
The Damned Utd

The Damned Utd

※原作本(日本未翻訳?)