シップ・オブ・ノーリターン グストロフ号の悲劇

シップ・オブ・ノーリターン ~グストロフ号の悲劇~ [DVD]
6/3レンタルリリース アルバトロス

原題は'Die Gustloff'。海事史上最悪の事故と言われる第二次大戦末期のドイツで起きたヴィルヘルム・グストロフ号の沈没を描いた実録ドラマです。監督は「秋のミルク」「ふたりのロッテ」「スターリングラード」の、というより、最近じゃ「マフィアの妻たち」みたいな凡作を撮ってるヨゼフ・フィルスマイアー。キャストはドイツ映画やTVムービーでちょくちょく見かけるヒトばかり。「ヒトラーの贋札」のカール・マルコヴィクスも出演してます。

実録ドラマなのであらすじは割愛。グストロフ号の事はwikipedia参照の事。

wikipedia:ヴィルヘルム・グストロフ(客船)

ドイツ製TVムービーらしく映画並のスケールと真面目なテイストで作られた作品でした。特にクライマックスとなる沈没シーンはかなりの迫力。敗色濃厚のドイツ(というかポーランド)の街並みもイイ感じです。

この手の海難パニックものの定番として、大事故の裏で起こる悲喜こもごもの人間模様、というのもアリ、なんですが、どちらかと言えばそちらがメインになってるのが気になりました。特に主人公の民間人船長とその恋人(一応軍属)のヌルい人道主義がハナについて…。こいつら、偉そうな事言っといて結局は仲良くなった妊婦とその連れたちばっか目が行って、本来の職務は放っちゃうんだもんなぁ。最初からコイツらが気に入らなくて、どうも最後まで乗り切れませんでした。

要するに自分の趣味とはちょっとズレてた作品。素直な気持ちで見たら楽しめるヒトも多いんじゃないかとは思います。