関西極道 流血の抗争史 侠客の刃編

 名刀・備前長船長光を巡る関西ヤクザの非情なドラマを描いた異色任侠ロマン。主演は大沢樹生と岡崎二朗。予告編はメーカー公式で。
目の前で親分を殺された極道・城崎は、親分から貰った曰くあり気な日本刀を持ち、一人殴り込む事を心に誓う。死地に赴く前に気合を入れようと、通りすがりの刀鍛冶・中島へ打ち直しを頼む城崎。その刀を見た中島はハッと驚く。それは過去、様々な因縁に彩られた名刀・備前長船長光だった。打ち直す準備が整うまで、その刀を手にした侠たちが辿った数奇な運命を城崎に語り出す中島だったが…。
以後、昭和三十年代のヤクザの物語二題が挿入される、要するにオムニバス形式に。これはこれでアリかなと思ったんですが、これが微妙…。
普通このシチュエーションなら、名刀の怪しい魔力に引き込まれたヤクザが狂気に走って…となる筈が、どちらも何時ものヤクザVシネマレベルの話で、しかもほとんど刀が話の軸にすらなってない! 最後の戦いで刀を使うだけ! なんじゃそりゃ!?
どうせなら妖刀を手にしたヤクザがサイコキラーになってバッサバッサと切り捲るスラッシャーホラーにする位の大胆さが欲しかったなぁ。
オチも微妙だし、一体脚本は誰だよと思ったら、「万年東一」と同じ人(多分新人)でした。あんた、脚本家の才能無いよ!