ワイルド・ガール


6/2レンタルリリース ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント

原題は'Wild Child'。エマ・ロバーツ主演のガールズコメディです。共演は「アレックス・ライダー」のアレックス・ペティファーエイダン・クイン、そしてこれが遺作になったナターシャ・リチャードソンニック・フロストもチョロっと出演。英国ワーキングタイトル社製作です。

マリブに住むポピーはやりたい放題のセレブギャル。だが遂にパパにキレられ、イギリスの片田舎にあるお堅い寄宿学校に転校させられてしまう。ケータイもオシャレも禁止という、イギリス特有の古めかしさに嫌気が差したポピーは、学園の厳格さに不満を持っていた相部屋の女の子たちの応援を得て、放校されようとイタズラの限りをつくすのだが…。

予告編を見た段階では、「キューティ・ブロンド」以降に作られたチャラいノリの、いわゆるプリティピンクコメディに思えて、だったら自分が見なくていいんじゃないかと判断しかけました。

実際、ヒロインはソレら+昨今のおバカセレブの雰囲気。ストーリーの方もガールズパワーで陰険な学園の女王様をやり込め、ついでにイケメンゲットだぜ! という、この手の映画のパターン通りではあります。

しかし、そこはさすがにワーキングタイトル社謹製作品。単にワーキャー騒ぐだけの作りではなく、アメリカで一緒にバカやってた友だちがしょせんは上辺だけのつきあいという事を見せたり、ヒロインの成長をフェイクブロンドを元の髪の色に戻すという形で表現したりと、ちゃんと大人の鑑賞に耐えうる映画として仕上げてくれている。

見る前は、いいトコの娘キャラがお似合いのエマ・ロバーツが何故こんなのに? と思ったんですが、最後まで見て納得。今のハリウッドで、アメリカの現代性と英国の伝統、両方の良さを融合しつつ、それを可愛く見せられる若手女優って彼女くらいしかいないもんなぁ。

あと、彼女の周りに配されたイギリス出身の女優さんたちも地味に可愛いコが多かったので、中には今後活躍するヒトも出てくるかも知れません。

基本的には女の子が見て楽しむ種類の映画だとは思いますが、それだけのモノでもないゾ、という事をご報告しておきます。