ウソから始まる恋と仕事の成功術


12/2レンタルリリース ジェネオン・ユニバーサル

原題は'The Invention of Lying'。「オー! マイ・ゴースト」のデヴィッド・ジャーヴェイスが製作・監督・脚本・主演。以前、町山大将がキラキラで紹介していた、ウソの無い世界を舞台にしたコメディ篇です。共演はジェニファー・ガーナーロブ・ロウジョナ・ヒルティナ・フェイフィリップ・シーモア・ホフマンエドワード・ノートンジェイソン・ベイトマン、マーティン・スターといったところもカメオ的に出演してます。

人類がウソというものを知らずに出来上がった世界。人々は本音だけを口にし、創作というものすら無かった。そんな中、美女アンナにはフラれ、仕事はクビになり、母親は介護施設に入っていて…という、これでもかという負け犬人生を送ってきたマークは、銀行で金を引き出す時、ふと閃いて預金残高より多めの額を申告。すると受付嬢はあっさりその額を渡してくれるのだった。これを機に、世界が破滅すると言って美女とベッドイン、飲酒運転をしても警官をごまかし、カジノではズルをして大儲けと、本当でない事を言ってイイ目にあうマーク。それが周囲の人々の慰めにもなっていったのだが…。

この後の展開と物語の本質については町山大将が言っちゃってるのでそちらを参照して下さい。要するに、ウソ、想像というものから神の存在が始まってるという話です。

序盤、ウソの無い世界での主人公の負け犬人生の描写は非常に味気ないモノ。正直つまんないなぁという印象です。ところが、ウソを“発明”した途端、BGMが鳴り始め、全体のトーンが一気に活気付くのは面白かった! 特に、脚本家だった主人公*1が復職、初めてフィクションというモノを語って見せるシーンは笑ったなぁ。また、図らずも神の存在を語ってしまった主人公が、民衆に語り掛けるシーンも必見です。

と言いつつ、コメディとしてはそこがピーク。終盤はヒロインとの恋愛模様がメイン(ライバルはロブ・ロウ!)になって、正直トーンダウンした感はありました。

全体を通しても、最近のアメコメの主流である男受けする下品なノリじゃなく、非常にソフィスケイトされた感じで、ちょっと自分好みではなかったかな。逆に女性の方にはウケが良いのかな、といった印象です。

*1:この世界の映画は、全て歴史上の話をナレーターがダラダラ喋るだけという代物。