ワイルド・トレジャー ブッチ・キャシディの秘宝
6/4レンタルリリース アットエンタテインメント
原題は'Outlaw Trail The Treasure of Butch Cassidy'。「明日に向って撃て!」の主人公の一人、ブッチ・キャシディが故郷に遺した財宝を巡る青春アドベンチャーです。主役の兄ちゃんは余り馴染みがありませんが、「呪怨 パンデミック」「モテる男のコロし方」のアリエル・ケベル、「ロンリーハート」「ヒルズ・ハブ・アイズ」のダン・バードが共演してます。監督は「極寒激戦地アルデンヌ 西部戦線1944」のライアン・リトル。
1951年、ユタ州。地元の名士である“最後のガンマン”ブッチ・キャシディを称える祭の開催が近づいた頃、彼の子孫であるロイは鉱山で怪しい男たちを発見する。彼らはキャシディが遺した財宝を狙う悪党だった。ロイが偶然発見したキャシディのバックルに財宝の在り処を解く鍵があると判り、ロイの仲間たちを巻き込んでの争奪戦が始まって…。
まず、青春アドベンチャーじゃなくて、全体にユルい作りのファミリー向け、キッズ向けの作品でした。しかしながら、財宝探しの謎解き、悪党との攻防、仲間たちとの友情、淡い恋の芽生えと、娯楽作品としての定番要素はしっかりとキープ。悪党のボスが「明日に向って撃て!」のヒロイン、エッタ・プレイスの息子という設定も面白い。
またキャシディに憧れる余りに突っ走りがちな主人公を諌めるお爺ちゃん(キャシディの弟という設定!)をベテラン、ジェームズ・ギャモンが演じてるのも良かった。何時ものヒゲが無いから直ぐには気づかなかったけど。
そして「クリスタル・スカルの王国」の劇場公開に乗っかったタイトルなのは当然ですが、主人公たちがボーイスカウトに所属しているという設定なので、あの黄色いスカーフの制服姿で蒸気機関車や複葉機に飛び乗るシーンなんかは「ヤング・インディ・ジョーンズ」を思い出させて、無理矢理な便乗商品という気にはならない。
そんな感じで見るべき所が意外に多い作品、なのですが…。舞台となる1951年の世界を形作る時代考証やムード作りにやる気ゼロなモンだから、全てが台無しになってしまってる! 最初始まった時は、今の若者たちがお祭の出し物で西部時代の寸劇をやってると思ったくらいに酷い代物。ケータイやパソコンが出ないから一応納得出来るレベル。当時を再現するのが難しいのはハナから判ってただろうに、無理せず現代を舞台にした方が良かったと思うけどなぁ。
その他の部分も、よくよく見れば詰めの甘さが目につきます。ちょっとビックリのラストも、はっきり言って蛇足。ちょっと勿体無い事をした作品なのではないでしょうか。
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