ア・ダーティ・シェイム - ［SAMPLE］ビデオながら見日記

出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
発売日: 2008/05/30
メディア: DVD
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原題も'A Dirty Shame'。悪趣味の帝王ジョン・ウォーターズの最新作、と言っても、2004年に完成したのに日本ではほったらかしにされていたコメディ映画です。町山氏のポッドキャストも参照の事。

ボルチモア郊外の住宅地。街一番の爆乳を活かして超売れっ子ストリッパーだった娘の存在を恥じ、家に軟禁している頭カチカチの主婦シルビア。ところが、偶然頭を打った+性の伝道師レイレイに出逢った事から、異常な淫乱オバサンに変貌してしまった! 彼女と同じ様に、街には次第に自らの性癖を開けっぴろげに見せつける変態たちが増殖し始めていた…。

舞台は何時も通りだし、描いてるテーマも“どんなヤツにも秘密がある”“理解し合った方が幸せ”“権力(保守)と闘え!!”というこれまでと一緒のモノ。しかし、多少なりとも間口を広げようとスターをキャスティングしたり、持ち前のポップセンスでオブラートに包んだりしていたジョン・ウォーターズが、今回は久々に冒頭部分から悪趣味大全開!

お陰で、頭を打つ度にお堅くなったり淫乱になったりと、極端から極端への変貌を繰り返すトレイシー・ウルマン*1を筆頭に、夫役のクリス・アイザックも、娘役のセルマ・ブレアも、今後のキャリアの事をちゃんと考えてるのか、それこそ頭がどうかしちゃったんじゃないかと、見ているこっちが心配になる怪演ぶり。

むしろ、セックスの伝道師、文字通りのエロテロリストを演じるジョニー・ノックスヴィルがノーマルに見えてしまうくらい(だって奇跡まで起こしちゃうし)。

とまぁ、お蔵入り寸前になったのも頷ける過激な作品でした。しかし、セックスをネタにしている割りにはエロさは全く無し。チ○コもオッパイもバンバン出てくるけど、普通のオッサン、オバサンのモノばかりなんだもの。他のフェチ系描写も直接的なモノはほとんど無いんで、そういうのが苦手な人でも大丈夫。

それでも、当然ですが見る人をかなり選ぶ映画だと思います。間違ってもトラボルタ版「ヘアスプレー」から流れてくる人はいないだろうけど、逆にノックスヴィルが出てるからって、「jackass」的なのを期待されても困る。結局、ウォーターズ作品に免疫のある人の為の映画なんじゃないでしょうか。