ボディ・アーマー

ボディ・アーマー [DVD]

ボディ・アーマー [DVD]

原題も'Body Armour'。「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」で国際的にもブレイクしたドイツ人俳優、ティル・シュヴァイガー主演のハードアクションです。共演はチャズ・パルミンテリ。監督は「ダンジョン&ドラゴン2」のジェリー・リプリー

三年前に警護していた女性大統領候補を暗殺者に殺され、ボディガードを引退したリドリー。妻にも去られ、今ではボロいボクシングジムのトレーナーに身をやつしていた彼に、かつての上司から仕事の依頼が舞い込む。一旦は断ったリドリーだったが、かつての自分を取り戻す為に受諾。仕事の内容は大陪審に証人として立つ国際的殺し屋の警護。証人が泊まるバルセロナの高級ホテルに到着したリドリーだったが、彼を待っていたのは三年前に取り逃がした宿敵マックスウェルだった…。

自分の人生をぶち壊した殺したくてしょうがない男の命を守るという、とてつもない矛盾を抱えた主人公を、何時もの眼光鋭い面構えでシュヴァイガーが好演。対するパルミンテリも、そんな心理戦を自ら仕掛けたかなりイッてる殺し屋役にハマってます。これは男臭いハードなドラマが期待出来る、と前半戦では思ったんですが…。

まず、銃撃戦、格闘戦、カーチェイスと、アクションシーン自体はふんだんに用意されてるものの、そこに至る過程やシーン自体が完全にアイディア不足でカタルシスを感じる暇も無し。それはキャラの描き方もそうで、いくらお約束とは言え、内部に裏切り者が!? みたいな重要な(筈の)シーンの演出も、かなりあっさり目。

その割りには、殺しが実は余命幾許も無い病に冒されていて、一人娘を必死で守ろうと…みたいなナンパな要素まで出てくるからゲンナリ。

そんな展開なのに、せっかく脱ぎOKのカワイコちゃん(「パズラー2」のクリスティーナ・ブロンド)や、雰囲気たっぷりの女殺し屋(「サイコ・シスター 呪われた修道女」のクリスティーナピアジェット)を出しといて、全く見せ場が無いのも何だかなぁ。

と言う訳で、見る前の期待からは相当に肩透かしな深みゼロの作品でした。まぁVシネマだと思えば、それなりに見られるレベルではありますが。