殺人容疑者@チャンネルNECO
警視庁、国警本部、科学捜査研究所の後援で作られた、鈴木英夫が1952年に撮ったセミドキュメンタリー映画。
連続殺人を捜査する警視庁捜査一課の刑事たちの姿を、ニュース映画みたいなナレーションを交えて描く異色作。おそらく当時の警察が如何に正当且つ丁寧に捜査しているかを知らしめる為に作られた映画の様で、遺体の解剖シーン(女性のヌード!)やタバコの吸殻からの血液採取(流石にDNA鑑定までは無いけど)等、科学捜査の模様を見せたり、尋問も普通の娯楽作と違ってやたらと丁寧。そして当時の警察の電信システムやパトカーも登場。そんなリアルな映像を見せられると、捜査本部に車座にあぐらをかいて捜査会議をする不思議なシーンも、これが本当なのかなと思えてくる。いや、本当はどうだったかなんて判らないですけど。
goo映画の解説だとノンスター映画みたいになってますが、犯人役で丹波哲郎(OPではこの表記、EDでは本名の丹波正三郎名義)が、若手刑事役で小林昭二と土屋嘉男が出演。また街の踊り子役でジプシー・ローズも登場! 楽屋にいるのは野村昭子! これまた貴重だなぁ。
終盤は逃亡犯を追いかけてのカーチェイスや下水道での追跡劇等、普通のサスペンスアクションとしても楽しめますが、やはり当時の捜査システムの記録として興味深い作品でした。
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