ルバング島の奇跡 陸軍中野学校@東映チャンネル

　8月に録画して見てなかった映画。1974年に帰国した小野田寛郎少尉に便乗して作られた(んだと思う)実に東映らしい架空戦記映画。

昭和19年、全国の士官学校のエリートたちが通称・陸軍中野学校に集められる。来る戦争末期の戦いに備えた秘密戦士(要するにスパイ)を育成する為だ。過酷な訓練を続け、更に熾烈な卒業試験をパスした彼らを待つものは…。

スパイ候補生に扮するのは千葉真一、若林豪、夏八木勲、他十数名。教官は菅原文太! そして文太が指令を受けてサイパンへ飛ぶと、後任は室田日出男!! 「紺碧の艦隊」で転生してきた人の様に悟り切った文太がステキ。

他にも丹波哲郎以下、梅宮辰夫、内田朝雄、近藤宏、田口計と、これまた実に東映らしい濃い顔触れ。逆に女っ気の無さは異常。千葉ちゃんの許婚役の中島ゆたかと夏八木勲の実家の女中役の叶優子くらい。

で、映画の方ですが、全編のほとんどが訓練、訓練、また訓練。戦争シーンは記録映像のみ! この辺、小野田さんブームに乗っかろうと急いで作ったんだろう事が伺えます。更にスパイらしい活躍をするのも千葉ちゃんのみ。しかも失敗…。夏八木勲に至っては、卒業試験中に地元の村人たちに虐殺。唯一生き残った豪も…。しかし、無精ヒゲ生やした豪は、いよいよフィーゴにそっくりでした(w。

クールなスパイ映画だった市川雷蔵版とは真逆の、泥臭い実に東映らしい(三度目)活劇でした。ちなみにルバング島も一切本編には登場しません(w。