ドリアン・グレイ

6/2リリース ファインフィルムズ

原題も'Dorian Gray'。オリヴァー・パーカーが「理想の結婚」「アーネスト式プロポーズ」に続いてオスカー・ワイルドの、今度は『ドリアン・グレイの肖像』の映画化にチャレンジしたファンタジースリラーです。ドリアン・グレイ役はベン・バーンズ。共演にコリン・ファース、ベン・チャップリン、フィオナ・ショウ、マリアム・ダボ、レイチェル・ハード＝ウッド、レベッカ・ホールという豪華キャストです。

ロンドンにやって来て以来、その美貌で一躍社交界の花形になる青年ドリアン・グレイは、彼の肖像画を描いたバジルからヘンリー卿を紹介される。彼が語る悪徳の美学に感化される一方、舞台女優のシビルと恋に落ちるドリアンだったが…。

と、前半のあらすじだけ書くと原作に忠実に思えますが、実際は結構細々と改変されてるストーリー。で、その改変ポイントのせいで、悪徳度も退廃度も薄味になってしまった作品でした。ドリアン・グレイがただのイケメン兄ちゃんになっちゃった…みたいな。

まぁでも、そんなに気にしなければ、ベン・バーンズはドリアン役にハマってるし、映像もかなりしっかりしていて悪くない*1。最も大きな改変ポイントである、レベッカ・ホール演じるヘンリー卿の娘も美味しい役ですし。

劇場未公開のDVDスルー作品だと考えれば、十分楽しめるんじゃないでしょうか。ただ、個人的にはもうちょっとエログロ方面を強烈にするとか、ピカレスクヒーローとしてもっとクールなテイストのドリアン・グレイが見たかったなぁ…とか思いましたけど。

ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫)

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オリヴァー・パーカー監督作はコレもリリースされます。

*1:一番キーになる肖像画のVFXはどうかなぁ…と思いますが。