トレジャー・オブ・エジプト ファラオの秘宝


9/5レンタルリリース インターフィルム

原題は'Sands of Oblivion'。「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」に便乗した、「クリムゾン・フォース」のデビッド・フローレス監督によるアクションアドベンチャーです。主演は「セレニティー」のモリーナ・バッカリンと「ミュータントX」のヴィクター・ウェブスター。更にアダム・ボールドウィン、ジョージ・ケネディ御大まで出演!

美人考古学者アリスの指揮の下、南カリフォルニアの砂漠で始まったセシル・B・デミルの名作「十誡」の巨大セットの発掘作業。その現場にかつて撮影現場にいたというジョン老人が孫のマークを伴って現れる。ところが彼が砂の中に隠していた宝の箱を開けた途端、砂に飲み込まれ、そのまま急死してしまった! 彼が死んだ辺りを掘り返すと本物のエジプトの遺跡と見まごうばかりのセットが出現。だが、それと同時に作業員の変死が相次いで…。

本物志向で有名だったデミルは何とエジプトで出土した遺跡をハリウッドに持ち込んでいた! そしてそこに封印されていた邪神アヌビスが甦って…というストーリー。更にはデミルはフリーメイソンだった!? という設定まで!

おお、これは中々に悪くない…どころか、TVムービーとしては出色のアイディア。と言うか、これを膨らませてハリウッドの超大作を作った方が良いんじゃないの? という気さえします。

ところが日頃B級、C級の作品ばかり作ってるスタッフにかかると、この素晴らしいプロットも完全に宝の持ち腐れ状態。一応その価値は判ってたと見えて、謎解きのミステリーと邪神襲来の恐怖を両方とも小出しに小出しに勿体ぶって描いているんですが、逆にそのせいでプロットの良さは半減、ストーリーの勢いも見事なまでに殺いでくれてます。

他にも勿体無い部分が多々あって、特にヒロインのモリーナ嬢の扱い方の酷さと言ったら。そりゃ見た目からして知的な考古学者には見えないラテン系のカワイコちゃんではあるけれど、そこは演出でカバーすれば良いのに、逆にそれこそ往年のハリウッド女優の様な主人公のお荷物、お飾り程度の古臭い描写に終始してる。だったら彼女のエロい魅力を前面に押し出せば良いものを、そういう意味でも中途半端なんだよなぁ。この中途半端さ感は作品全体に充満してます。

という訳で、これこそ勿体無さに溢れた凡作中の凡作でした。ホントに残念無念です。