太陽の傷

太陽の傷 [DVD]
1/12レンタルリリース 東映ビデオ
 哀川翔×三池崇史のコンビ作。逆恨みから幼い娘を少年に殺され、そのショックで妻も自殺してしまった男の復讐劇です。
哀川翔でこのプロットだと、黒沢清による怪作「蜘蛛の瞳」*1が当然思い出される訳ですが、あんな風に訳は判んないけど映画的興奮が味わえるというんじゃなく、至極真っ当な作り。
と言うかですね、普通過ぎて退屈なんですよ。頼りにならない警察、クソみたいなマスコミ、被害者を好奇の目で見る大衆、犯人は少年法に守られ、子供たちは快楽の為だけに大人を襲い…っていう、もう既に嫌という程見たステレオタイプのオンパレード。こんなんだったら別に三池が撮る意味無いじゃん!というのが正直な感想です。
最後、犯人の少年をボコボコにするのは一応三池らしいと言えばらしいんですが。どうせなら復讐に立ち上がるとゼブラーマンに変身するとか、翔を殺しに来た少年たちをバッタバッタとブチ殺していくとか、そのくらい無茶苦茶な展開を見せて欲しかったなぁ。
シネマパラダイスという、いつもはGPミュージアムソフトのヤクザVシネマを作ってる会社の製作なんで、キャストはそういう意味では豪華版。特に親父狩りに遭うドラッグストア店長役の遠藤憲一は当然として、犯人を担当するいかにも人権派のむかつく弁護士役の宅麻伸が意外にも嫌味ったらしく好演してました。

*1:個人的にはその裏表の映画とも言える「蛇の道」の方が好き