白昼の襲撃@チャンネルNECO

少年院あがりで定職にも就かず、恋人のユリ*1に美人局をさせて暮らす青年・修。そこに少年院時代の弟分、佐知夫が一丁の拳銃を持って転がり込んできた事から運命の歯車が狂い出す。海で出会った金持ちのボンボン大学生を射殺してしまい、修も重傷を負う。謎めいた男、鳴海に助けられたのだが…。

無軌道な若者たちの暴走映画かと思ったら、単純にそういう流れにはならない。学生運動家崩れのインテリヤクザ(岸田森)とその恋人(緑魔子)、彼らが経営する外人バーのホステスとその恋人の外人青年、ヤクザの親分(殿山泰司)と、三人組に関わる人々が入れ替わりながら多層的な構造になっていくのが面白い。結局は定番の破滅的結末に向かうんだけど、主人公が恋人ではなく弟分を取るのにもビックリ。ラストもまるっきりのニューシネマでした。いやぁ面白かった。

それと忘れてならないのは日野皓正によるグルーヴ感溢れるスコア。下記のアルバムにテーマ曲が収録されてます。それと同じ西村潔監督作の「死ぬにはまだ早い」同様、バックで流れる歌謡曲の使い方が上手いなぁ。曲名が判らないのが多くて残念です。

*1:日本人離れした派手な顔立ちで脇役でも強い印象を残す高橋紀子。寺田農夫人!