ジョナ・ヘックス


12/22リリース ワーナー・ホーム・ビデオ

原題も'Jonah Hex'。1970年代に刊行された同名DCコミックを映画化したバイオレンス西部劇です。主人公のジョナ・ヘックスに扮するのはジョシュ・ブローリン。ヒロインはミーガン・フォックスで、敵役にはジョン・マルコヴィッチが。脇役も充実していて、マイケル・ファスベンダーマイケル・シャノン、そしてエイダン・クインが出演してます。監督はピクサー出身で「ホートン ふしぎな世界のダレダーレ」のジミー・ヘイワード。脚本は「アドレナリン」シリーズのマーク・ネヴェルダインブライアン・テイラーのコンビです。

南北戦争後のアメリカ。ある事件の為に同じ南軍の将軍ターンブルによって妻子を殺され、焼け付いた烙印を押され顔の右半分が焼け爛れてしまった男、ジョナ・ヘックス。瀕死のところをインディアンによって助けられた彼は、それ以来死者と言葉を交わす能力を得、今は凄腕の賞金稼ぎとなっていた。一方、極悪非道の限りを尽くしていたターンブルに手を焼く大統領は、ヘックスにターンブル殺しを依頼して…。

うーん。まぁ何と申しましょうか。色々と聞いていた評判どおりの出来でした…。アメリカでは大コケ、日本でDVDスルーになるのも納得という…。

愛馬の両脇に据えられたダブルガトリング砲をブッ放し悪漢たちは皆殺し、クロウみたいな能力も兼ね備えた異形の復讐鬼である主人公。いかにも西部劇に出てきそうなラテン系エロエロ娼婦姿のミーガン。マルコヴィッチも超近代兵器を開発し政府転覆を企むという定番のテロリスト役と、メインどころ三人の、少なくともパッと見のルックスはすこぶるカッコ良い、んですが…。

この設定なら当然、と思われたB級感、マカロニ感みたいなけれん味、燃えるシチュエーションみたいなのが皆無なんですよ。バイオレンス描写もエロ描写も手ぬるくて、おかげでR指定じゃなくPG-13に収まっちゃった、みたいな。かといって、正統派の西部劇ってワケでもないんですよねぇ。

また、本作は全長81分という短さなんですが、コレって最初のディレクターズカット版に激怒した会社側が勝手に再編集した結果なんじゃ…と邪推してしまうほどに、見ていてどうにもギクシャク感じてしまうストーリー展開なんですよ。話自体はシンプルな復讐譚のはずなのに。簡単に言えば、アラン・スミシー名義の作品と言われた方がしっくり来るみたいな。

結局、監督がこの題材に合ってなかったという事なんでしょう。本作では全くと言っていいほど活躍しなかったミーガンのキャラはまだ裏がありそうで、おそらくは続編で…という構想だったのでは? という気がします。でもそれが披露される機会は訪れないでしょうねぇ…。

ジョナ・ヘックス Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

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Jonah Hex: Origins (All Star Western)

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※原作本?

※ミーガンが判りやすいエロキャラに扮した「セレブ・ウォーズ ニューヨークの恋に勝つルール」の感想はこちら