ネバダ・バイオレンス

4/23レンタルリリース ニューセレクト

原題は'Blood River'。「JIGSAW デッド・オア・アライブ」「悪魔の椅子」の英国人コンビ、アダム・メイソンとサイモン・ボーイズがアメリカに渡って撮ったスリラー映画です。主演は「悪魔の椅子」のアンドリュー・ハワード、「パンプキン・ヘッド 復讐の謝肉祭」のテス・パンツァー、「アッシャ 洞窟の女王」のイアン・ダンカンの三人。

灼熱の砂漠を走る道で車を飛ばすクラークとサマーの若い夫婦。ところが突然タイヤがパンク。積んでいたはずのスペアタイヤが見つからず、助けを求めて歩き出した二人だったが、ようやくたどり着いた集落はゴーストタウンと化していた。身重のサマーを抱え、絶望に喘ぐクラーク。そんな時、昨日道ですれ違った謎めいた男ジョゼフがやって来て…。

パッと見はスリラー映画としてありがちなシチュエーション。しかし、謎の男ジョゼフは、その名前からバレバレですが、神 or 悪魔の使いらしき超人的な存在。彼の粗暴な言動に、夫婦が隠していた罪と罰が露わになって…という、宗教的テーマが露骨な作品でした。

そうなると、大多数の日本人に取っては正直響いてこないテーマだし、実際の描き込みには食い足りない感もあります。邦題にあるようなバイオレンス描写にしたって、あるにはありますが今の基準で考えればそれほど大した事は無いし。

それでも全編に渡って続くかなりの緊張感は、この監督コンビの並以上の才能を現しているし、今時の奇をてらっただけの映像処理に頼らず、要所要所にだけ金を掛けた映像も非常にタイトで魅力的に感じました。

前二作に興味を覚えた方なら見て損は無い作品ではないでしょうか。

ネバダ・バイオレンス [DVD]

パンプキンヘッド 復讐の謝肉祭 [DVD]

アッシャ 洞窟の女王 [DVD]