CUT 人間彫刻

CUT~人間彫刻~ [DVD]

CUT~人間彫刻~ [DVD]

原題は'Chiseled'。人体を素材にした“究極の芸術”を製作する基地外彫刻家が暴れ捲るスプラッタホラーです。

仲間たちと連れ立って新進アーティストの展覧会に向った美術学生のリズ。しかしチラシに書かれた住所に着いたものの、そこは寂れた工場地帯。しかも乗っていた車が故障してしまう。人はいないかと辺りを調べるうちに、仲間の一人がアーティストのアトリエを発見。だが、何とこのアーティストの素材は人体! この地に足を踏み入れた者たちを拉致、監禁、破壊していたのだ!!

オープニングは椅子に縛り付けられた血塗れの女の子からスタート。また監禁ホラーかとガッカリしていたら、これが中々にイイ感じの猟奇的な雰囲気。これは掘り出し物かと思い直したんですが…。

所変わって、展覧会に向うバカ者たちに映像が切り替わった途端、どうしようもなくダラけた調子に。とにかくアトリエに着くまでが長い! しかも面白い事が何も起こらない! だったらスパッとカットしろよ!

で、アトリエを見つけてからも酷かった。まずご丁寧にも一人ずつ足を踏み入れていくバカ者たち。お陰でアーティストは何の苦労も無く素材をゲット! いや、ここはもう少し工夫して見せてくれても良いんじゃないの? この監督ってひょっとしてアホ?

更に監督のアホさ加減を示すのが、バカ者たちの中に盲目の女性がいるんですが、彼女の特性を活かしたシーンがほとんど無いって事。じゃあ何故こんなキャラを用意したんだよって話。

まぁ、いざアーティストがノミやノコギリをふるい出すと結構なグロ描写が続出はします。しかしここにも文句があって、人体破壊の様子を直接見せてくれないんですよ。それは予算の都合なんだろうと察しはつくんですが、だったら何か上手く見せる方法を考えろよと。アーティストがイトノコを引く姿を延々と見せられても面白くないんだよ!

止めに、人体を素材にしたアートというプロットにも関らず、完成品を一切見せてくれないのも酷かったなぁ。そんな感じで、出だしこそ快調なものの、話が進むに連れて不満だけが溜まってしまう凡作でした。