ペレを買った男

ペレを買った男 [DVD]

　自分がサッカーを本格的に見始めるきっかけになったのが、1978年のワールドカップ・アルゼンチン大会と1979年に日本で開催されたワールドユース(マラドーナ! 尾崎加寿夫!)。そしてその当時、ド田舎に住んでるガキでも知ってる世界的ビッグクラブと言えば、ペレやベッケンバウアーが所属したニューヨーク・コスモスなのでした*1。
で、そのニューヨーク･コスモスの栄枯盛衰を追ったドキュメンタリーである本作。当時のワーナーブラザーズ(例の丸っこいロゴの頃)の総帥、つまりはメディア王だったスティーブ・ロスがオーナーであり、ペレを獲得する際にも彼のプレーだけではなくてCMやグッズ収入まで当て込んでの契約だった事等、現在のスポーツビジネスへの壮大な実験場であった事が判って面白かったです。
そして、ニューヨーク･コスモスと言えば“商業主義”“バブル”というイメージしかなかったんですが、一瞬とはいえ成功したこのチームの存在が、現在のアメリカサッカー(女子は最強、男子も堅実に強い)に繋がっているという事実も興味深かった。同じくワーナー傘下だったアタリの“アタリショック”がコスモス崩壊の遠因になってたというのも。
サッカーファンだけでなく、1970年代後半の風俗やメディアの在り方を記録した作品としても見るべきものがあるので、そういうモノに興味がある人も必見ではないでしょうか。
それにしても何故ペレは出演を拒否したんだろう? 完全に悪者扱いされてるジョルジョ・キナーリャはちゃんと出てるのに!

LIVE FOREVER [DVD]

※本作の共同監督の一人、ジョン・ダウアーによる“ブリット・ポップ”ドキュメンタリー

*1:トヨタカップが始まったのは1980年から。