人造昆虫カブトボーグVxV#35

 今日も大繁盛の昇竜軒。ケンやリンリン、バイトの中華三兄弟も大忙し。だがその時、父ちゃんが倒れた!
ケンが学校を休み、昇竜軒も休業中で心配になるリュウセイと勝治。父の入院を知り、更に心配になる二人だったが昇竜軒のシャッターにリニューアルオープンのポスターを見つけてひと安心。翌日、学校が終わると一目散に昇竜軒へ向うと、そこはファンシーな外装のスイーツ昇竜軒に変貌していた! 恐る恐る店に入ると、店内は女性客で一杯。見知らぬ女性店員・ゲッペイちゃん(声/中村祐子)に真相を問いただそうとするリュウセイの前に現われたのは新オーナーのリンリン! 中華を捨ててスイーツオンリーになった昇竜軒でリンリンおすすめのマンゴープリンに舌鼓を打つ二人。店を後にし、ケンも頑張ってるなぁと関心していると、その前に一軒の屋台が。やっぱり小腹がすいたと駆け込むリュウセイ。だがそこにいたのは何とケンだった! その名もケン軒! 父が入院し、母も看病で付きっ切りになる為に、自分が頑張らねばと決意するケンだったが、リンリンはその先回りをしていた。これまでパティシエの先生についてお菓子作りの勉強をしていた彼女は、その先生から改装資金と運転資金まで借りて新装開店の準備をすっかり整えていた! ケンは不満たらたらだが、母も‘こんな良い話、勿体無い’と大乗り気。そしてそんなに中華に拘るんならと、倉庫に眠っていた屋台をあてがわれる始末。中華三兄弟もあっさりクビ。笑ってごまかすケンだったが、リュウセイは激高! ‘許せねぇ…確かにケンは馬鹿だ、俺よりも馬鹿だから大馬鹿だ! だからと言って妹が小賢しく馬鹿の兄貴を押しのけて良いって法はねぇッ!’ 脱兎の如く駆け出したリュウセイ。当然スイーツ昇竜軒に殴り込み、ケンに厨房を明け渡せと要求! だが‘この店の厨房はもうスイーツ専用に改装済みよ、そうリンリン専用厨房なの、リンリン専用…専用…ウフフフフ…、最早中華の火力なんて望むべくも無いの!’ この言い草に当然何時もの様にボーグで決着をつけようと要求するリュウセイに対して‘何それ?’‘な、何それって…’‘お兄ちゃんたちは何でもかんでもボーグバトルで決着をつけようとするけど、世の中そんなスイーツみたいに甘くないのよ!’‘あ、あのぉ…’‘ゲッペイちゃん、ボーグバトルって知ってる?’‘アノ、私大学ではアメリカ文化学テキサスアマリロ科だったのでェ、判んないですゥ’‘聞いたでしょ? ボーグバトル界だけで通じるルールを世間一般の私たちに押し付けないでよ! 常識知らずのボーグ馬鹿ッ!’‘痛ぇててて!’ この心臓をえぐる鋭い一言にリュウセイ、ケン、勝治も胸を抑える(w。その余波はロイドさん、ビッグバン、中華三兄弟、ジョニーにまで波及(ww。塩ならぬベーキングパウダーを撒かれて退散!
すっかり落ち込む三人。親父に教わった味を伝えられれば良いんだと言うケンが作ったラーメンをすすると…。余りの不味さに屋台大爆発! ‘こんな…こんな不味いラーメンを俺は作っちまったというのか…’ 不味さの原因が三皇五帝夏殷周という先祖伝来のタレを使っていないからだというケン。父からその在り処を聞いていなかったのだ! 昇竜軒にあるのではと勝治が気づき、早速乗り込む三人だったが、またもリンリンに門前払い。またも‘話し合いじゃ決着がつかないようだな!’とリュウセイがボーグを取り出すと‘馬鹿じゃないのッ!’‘ウグッ!’‘ゲッペイちゃん、カブトボーグって知ってる?’‘アノ、私卒論はテキサスクローバーホールドにおける右手の梃作用だったのでェ、判んないですゥ’‘どんなにボーグバトルが強くたって世間の常識は覆らないの! ボーガーなんて皆常識知らずよッ!’‘痛ぇーッ!’ その余波はジャンマイケル、モハメド殿下、フランシーヌ、バイス・バロン、カメーダ・カーメダ、ワグネル・ペレイラ・カルドーソ9世にまで波及(w。‘痛ぇーッッッ!!!’ 〆は再びビッグバン(ww。今度はドライイーストを撒かれそうになる所に現われたのは、リンリンの師匠クロード千秋(声/上田陽司)! 何とリュウセイが挑んだ勝負を自分が買うというのだ! その条件はリュウセイが勝ったらタレの捜索の許可、クロードが買ったらケンの屋台の没収! ‘その勝負、受けたッ!’‘待ってくれリュウセイ!’ これは俺の勝負だとケンが名乗りをあげた! 久々の市営コロシアムを舞台にバトル開始! ‘チャージ3回! フリーエントリー! ノーオプションバトル!’‘チャージ3回! フリーエントリー! ノーオプションバトル!’ クロードのマシンはショコラ・ドゥ・パリジェンヌ。しかし勝治がこの勝負の条件がおかしい事に気づく。‘どう計算しても式の右辺と左辺の等価にはならないよ’‘日本語で言ってくれ…’ クロードが屋台に拘っているのがおかしいと考えた勝治が調べると屋台には隠し引き出しが。そこには何と秘伝のタレがあった! そう、クロードの狙いは最初からタレだったのだ! 本場の味を受け入れてくれない地元民の為に隠し味として使うつもりだった! タレさえ手に入れば店なんかどうでもいい、借金も返せと言うクロードの言葉にリンリンもショックorz! 家業の中華屋を継がなくてはならないと判っていても、スイーツの華やかさに憧れてしまう女の子の気持ちを吐露するリンリン。‘お前がそんな心配する事無いんだ、馬鹿と言われようが愚兄と言われようが、俺はお前の兄貴だ!’ そう言い放つとあらためて勝負を挑むケン。新たな条件はケンが勝てばリンリンの借金は帳消し! その表情は自信に漲っている! ここでクロードが必殺技エッフェルアタックエクレール発動! ‘妹を泣かせたヤツなんかに絶対負けねぇ!’ ケンもチャイナクックマーベラス点心三昧発動! そして完勝!! だが翌日、店をそのままリンリンに任せ、まだ屋台を引くケンの姿が。ラーメンの味もまともになったものの、イマイチ納得がいかないリュウセイと勝治。母ちゃんの‘だって勿体無いじゃない’でEND。
オチはイマイチだったけど、全体には初のリンリンメイン回で満足。しかもこれまでの展開を全否定してるし(w。脚本/千葉克彦