市川崑物語

市川崑物語 [DVD]

　ドキュメンタリーではなくて、市川崑作品のさわりと当時の写真、再現ドラマ等をコラージュした映像詩みたいな作品でした。
製作に角川が咬んでるので、大映時代と一連の金田一シリーズに多くの時間が割かれているのはしょうがないんだけど、最後がまるで新版「犬神家の一族」の予告編みたくなってしまうのは、それまでが結構面白かっただけに残念。でも撮ってる姿を見ると、九十を越えてあれだけのビッグバジェットムービーを作るだけでも偉いなぁと感心してしまった。でも作品自体の評価は変わらないけどね*1。
それにしても夫人にして脚本家としても名パートナーだった故・和田夏十さんの知的美人な事! 向田邦子の若い頃の写真を見た時以来の衝撃でした。出来ればこの不思議な名コンビにもっと焦点を当てて欲しかったなぁ。今回のだと、まだ中途半端というか。岩井俊二も相当着目はしてるんですけどね。
とにかく市川崑ファンなら見て損の無い映画でしょう。戦前に演出したアニメ「真説カチカチ山」や人形劇「娘道成寺」の映像は本当に貴重だし。

*1:但し、石坂金田一との決別を告げるかの様なラストショットはちょっと感動モノ。書き忘れていたので。