ラスト・サバイバー

原題は'The Worthy'。ジャケから察せられる通りの、最終戦争後の世界を舞台にしたSFアクションスリラーなんですが、何とコレがアラブ首長国連邦製!セリフもアラビア語! 役者さんたちも中東各国の人たちで余り馴染みがないんですが、その中にアリ・スリマンら、イスラエルの俳優も混じってるのが面白い。当然のように監督も知らない人ですが、何故か製作にスティーヴン・シュナイダーとピーター・サフラン、音楽がジョセフ・ビシャラと、「インシディアス」や「死霊館」のスタッフが参加しています。

悪の傭兵部隊が引き起こした戦争の為に世界は崩壊。しかも、傭兵たちが水源に猛毒を撒いたせいで、壮絶な水不足が起こった世界。そんな中、シュアイブたち一家を始めとする集団が身を寄せ合って暮らす砦に敵が襲来。危うくシュアイブが殺されそうになるが、そこに現れた旅の男女に助けられる。シュアイブは、子供たちが警戒する中、二人を砦に招き入れるが…。

この後は、案の定悪者だった旅の男によって殺されるシュアイブ。しかも、卑劣な事にヤツは砦の水源も爆破! この絶体絶命の状態に住人たちの間にまで緊張が…という展開です。

映像は結構パキッとしていて悪くないものの、正直お話的には大した特徴、面白みは無し。

ただ、出て来るのが中東独特の髭面の男たち*1&結構なカワイコちゃんたち&セリフが聞きなれないアラビア語というだけでオリジナリティを感じてしまう。

また、最初に“SF”と書きましたが、舞台はただの廃ビルだし、衣装にも未来感は無し。米軍やISといった具体的な名前が出て来ないだけで、やはりその世界観は現状のイスラム圏の戦況を反映したものであるのは明白。旅の男が連れた女がクルド人だったり。

そんなワケで、よく見れば凡庸ながらユニークさも感じる作品…

と、途中までは、そんな文章で〆ようかと思いながら見ていたんですが、テンポの悪さ、会話のダラダラ感は最後までヒドくて、そこまで褒められない作品でした。ラストバトルのシチュエーションなんか、面白かったりするんですが。血も結構出るし。

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*1:唯一、極端に違うのがアリ・スリマンというのが面白い。