シンドバッド 新たなる航海

原題は'Sinbad: The Fifth Voyage'。当然あのシンドバッドを主人公にしたアドベンチャーアクションなワケですが、監督・脚本・主演がシャヒン・ショーン・ソリモンという全く知らない人…。ただ、何故かナレーションをパトリック・スチュワートが担当しています。

冒険の旅を終え、結婚の約束をした姫君の待つ王国へ帰港したシンドバッド一行。だが、王国は悪の黒魔術師によって氷漬けにされ、姫も連れ去られていて…。

まず、全く無名の人が作ったにしては頑張ってる作品でした。フィルムっぽい味付けがしてある映像に始まり、王国の描写も半裸でベリーダンスを踊るおネエさんたちの衣装等、何か間違ってる気はしますが、一応それらしく作ってある。

そして、“シンドバッド”映画といえばレイ・ハリーハウゼンのストップモーションアニメを思い出しますが、本作は明らかにそれらをリスペクトした作品で、出てくるモンスターはこの時代にほぼストップモーション! そして、ロック鳥ミノタウロス、カーリー像といった人気キャラが続々登場するのです!

とは言え、頑張ってるのは本当に良く伝わってくるんですが、正直演出や演技がソレに着いて来れてなくて…。何しろ、シンドバッドが冒険をしてるのはわかるものの構成がマズいせいで、今は姫君を探してるのか、それとも過去の冒険の回想なのか、さっぱりわからない…。

また、主役のソリモンさんも、顔つきはアーノルド・ヴォスルーの親戚みたいなスキンヘッドの強面なんですが、体躯が貧弱でハナなんてのはゼロ…。

更に言うと、前述のモンスターも総じてブサイクな出来だから、見ていて悲しくなってしまう…。

こんな感じの凡作でした。ホントに熱意だけは買えるんですが…。