殺人の啓示 死を誘う男

原題は'The Calling'。インガー・アッシュ・ウルフの『死を騙る男』を、スーザン・サランドン主演で映画化したミステリードラマです。共演はギル・ベローズ、トファー・グレイスに、「ラブ・レクイエム」のクリストファー・ハイアーダール。更にエレン・バースティン、ドナルド・サザーランドという充実キャスト。監督のジェイソン・ストーンは「ディス・イズ・ジ・エンド」の製作をやってたりする人で、監督としてはコレが初長編みたいです。

トロント郊外の雪深い小さな町。平穏なこの場所で、一人暮らしの老婆が喉を切り裂かれるという猟奇殺人が発生する。地元署の女性警官ヘイゼルたちが捜査に当たるが、犯人への手がかりも掴めぬ中、第二の殺人事件が…。

過去に傷を持ち、今も心身共に不安定なヒロインが、長年の相棒と移動してきたばかりの若手警官と共に犯人を追う…という展開です。

役者は当然良し。お話も、被害者たちの思わぬ接点から浮かび上がる真犯人像等々、面白い展開。ちょっと序盤から伏線がわかりやす過ぎる感はありますが。

しかし、それに対して演出が、どこのカナダ製TVムービーだよ!というあっさりさ。死体の状況等、ちゃんと見せればかなりのショックシーンになりそうなのに、逆にビックリするくらいにさらっと流しちゃったり。じゃあ人物の掘り下げはというと、そちらも浅いまんまだし。

まぁ、TVムービーだと思えば許せる範囲かな。でも、もっと面白く作れたはずなのに…という凡作でした。

死を騙る男 (創元推理文庫)

死を騙る男 (創元推理文庫)

※原作本さて、雪国の田舎町に女性警官という組み合わせだと、「ファーゴ」のTVシリーズ版が評判が良くて早く見たいです。いつ日本での放送が始まるのかな?