モスクワ・コード

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原題は'Мороз по коже'(英題'Moscow Chill')。ノーマン・リーダスが「ウォーキング・デッド」で再ブレイクする前の2007年に、ロシアへ出稼ぎに行って作られたクライムサスペンスです。セリフは英語とロシア語。監督・脚本のクリス・ソリミネはアンドレイ・コンチャロフスキー版「くるみ割り人形」に脚本で参加してる人で、今のところ本作が唯一の監督作。

逮捕され、更生施設に入所中だった天才ハッカーのレイを見知らぬ男たちが脱獄させる。そのまま飛行機に押し込まれたレイが着いたのはモスクワ。そこで、かつてレイの母親と縁のあった、現在収監中の裏社会の大物から凍結された資金の奪還を依頼されて…。

こうなると、ロシア映画＋2007年製作の作品という事で、少々垢抜けないサイバーパンクっぽい映像が出てくるサスペンスの展開になるのかなぁ…と思ったら、当たってるのは垢抜けないトコだけで、イイ顔した依頼主の子分と夜のクラブに繰り出したり、ロシアのカワイコちゃんとイイ仲になったりと、回り道ばっかりしてる主人公。

その後も、これまたイイ顔したホームレスみたいな古老ハッカーに面食らったりと、スリリングなサスペンス映画というより、異国に連れ込まれた男がカルチャーギャップにアタフタする様を牧歌的なムードで見せる、ドラマ色の濃い作品でした。

もちろん、ドンパチシーンや意外なストーリー展開もあったりしますが、そういうのを楽しみにして見るとちょっと期待ハズレかも。でも、最近リリースされてる「ウォーキング・デッド」以前の、思わず“仕事を選べよ！”と言いたくなるようなリーダス出演作群に比べれば、はるかに見るべきところのある作品だと思います。

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