スパイ・アプリケーション


9/4レンタルリリース クロックワークス


スパイ・アプリケーション(予告編)

原題は'Privacy'。スマホスパイウェアを題材にした巻き込まれ型サスペンスです。キャストは知らない人ばかりで、監督・脚本を「猿の復讐 ISLAND OF THE APES」のヨルグ・イーレが務めています。

画期的なアプリを開発して一攫千金を目論むニューヨークの大学生マークは、ある日スマートフォンのカメラとマイクをハッキングし、スマホから送られた映像と音声で人々を監視するプログラムの開発に成功してしまう。しかも、プログラムをいじっているうちに、街行く全ての人のスマホにプログラムが侵入、起動してしまい…。

この後は、ダチと色んな映像を見ている中で、一人の娘が気になってしまう主人公。スマホからの映像を追っていくうちに、彼女が元彼らしき男性とモメているのを知って…という流れです。

駄作「猿の復讐」の監督の作品なのにIMDbの評価が高くて、また身内に採点を頼んだんだろうなぁ…くらいに思っていたんですが、これが意外にもソコソコには楽しめてしまう驚きの出来でした。

まず、肝心のスパイアプリですが、どうやって作り、各スマホに進入したのかわからない“ブラックボックス”的な設定。まぁその辺は「パーソン・オブ・インタレスト」の“マシーン”と一緒で、そういうモンだと思って見ていただくしかない。

お話の方も、そうやって知り合った女性が実は…という「パーソン・オブ・インタレスト」と似た感じの作り。ただ、話のスケールを無理にデカくせず、痴話喧嘩の延長戦レベルに抑えてるから、作品のバランスが取れている。その代わり、敵もちょっとバカ過ぎる感はありますけれども。

あと、主人公は足を負傷しているという設定で、彼の代わりに悪友が行動、それを主人公がスマホからの映像を見ながら指示を与えるという、現代版「裏窓」みたいな展開なのも悪くなかった。

そんな感じで、リアリティという面では少々問題はありますが、暇潰し程度なら許せる範囲の小品ではないでしょうか。

d.hatena.ne.jp