ハウス・オブ・エンジェルズ


5/3レンタルリリース ニューセレクト

原題は'Anjos do Sol'(英題'Angels of the Sun')。実話を基に、人身売買と少女売春の実態を描いたブラジル映画です。スタッフ、キャスト共に知らない人たちですが、主演のフェルナンダ・カルヴァーリョちゃんはかなり可愛い。

貧しい海辺の村に暮らす十二歳の少女マリアは、姉同様に父親から職業斡旋の男へと売られてしまう。街へと連れて来られたマリアだったが、彼女が着いたのは年端も行かない少女専門の人身売買組織だった。政治家の息子の初体験の相手として競り落とされたマリア。だが、事情が飲み込めず反抗的な態度を取ったマリアを気に入らなかった政治家は、彼女をジャングルの奥地で働くガリンペイロ相手の売春宿に送ってしまい…。

とまぁ、ナンともヒドい話! で、予告編を見た時点でわかりますが、真面目というかきちんと作られた作品でした。当然、そういうシーンは直接的には描かれていません。ネタだけで十分に刺激的な内容なワケだから、敢えて扇情的に見えないようにフラットな演出を心がけたんだろうな、という。少女たちの悲惨な状況を殊更際立たせての涙頂戴路線にする事もしていないから、見やすいといえば見やすい作りです。

ただ、金鉱で働く男どもや人買いオヤジのイイ顔、脱走に失敗した少女がジープで赤土の上を引きずりまわされる処刑シーンといった、女囚映画的なパーツが頻繁に出てくるだけに、いやわかるけれども少しぐらいは…と、やましい気持ちが芽生えてしまうのも事実。

そんな感じで、娯楽映画として考えれば不満が無いわけではありませんが、出来自体は悪くない一見の価値がある作品だと思います。

※直接的には関係ありませんがブラジル製児童映画「ジャングルの少女タイナ」の感想はこちら
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