白鯨 MOBY DICK - ［SAMPLE］ビデオながら見日記

4/4リリース AMGエンタテインメント

原題も'Moby Dick'。過去に何度も映画化されてきたメルヴィルの『白鯨』を独・オーストリア合作で映像化した全長三時間のTVミニシリーズです。レンタル版は「前篇：冒険者たち」「後篇：因縁の対決」という二巻に分けてのリリース。今回エイハブ船長に扮するのは名優ウィリアム・ハート。イシュメール役は「スターダスト」のチャーリー・コックス、スターバック役はイーサン・ホーク。更にジリアン・アンダーソン、ドナルド・サザーランドも出演してます。監督は「マリオネット・ゲーム」のマイク・バーカー、脚色は「エリザベス１世」「ヒトラーの秘密」のナイジェル・ウィリアムズです。

捕鯨漁に憧れ、その前線基地の町ナンタケットにやって来た青年イシュメール。港で知り合った南洋の男クイークェグらと共に捕鯨船ピークォド号に乗り込む事になったのだが、その船長エイハブは、自分の片脚を食い千切った白く巨大なマッコウクジラ、モビーディックをし止める事に取り憑かれた男だった…。

こんな始まり方で、以降も変な色づけをせずに進む、至極真っ当な作り。それもかなりしっかりした作られ方で、ナンタケットの町の風情、大海原を進むピークォド号の勇姿、銛で突いた鯨に引き摺られるボートの勢い、その上空を舞う海鳥、そしてモビーディックのCGと、どれを取ってもハリウッド映画に引けを取らない映像で描かれる、文芸ロマン漂う大作でした。

逆に言うと、ちょっと真面目に淡々と進み過ぎとも言えて、もう少し今時の娯楽アドベンチャーっぽい気をてらった部分もあって良かったのかなと。そもそも、ウィリアム・ハートのエイハブ船長も、狂人というより理知的な老教授に見えてしまう。

こういうのは、日本語吹替版で軽く見るのが似合ってる気がします。

白鯨 MOBY DICK (冒険者たち / 因縁の対決) [DVD]