赤の銃士狙われた王位とルイ14世の陰謀 - ［SAMPLE］ビデオながら見日記

原題は'Aguila Roja, la pelicula'(英題'Red Eagle: The Movie')。スペイン製の歴史アドベンチャーです。どうやらスペインで大人気のTVシリーズの劇場版らしく、キャストとスタッフもTV版そのままみたい(おかげで日本ではなじみゼロ)。「ベビー・ルーム」「シンディにおまかせ」のハビエル・グティエレスがコメディリリーフ的なポジションで出演してます。

17世紀、スペインに悪漢たちに立ち向かう覆面のヒーロー、赤の銃士がいた! 今日も謎の男たちに襲われていた美女を救った銃士。一方その頃、スペインをフランスのルイ14世が来訪していたのだが、彼は英国と結託してスペイン王朝の転覆を企んでいた…。

主人公は黒いマントに黒覆面。一応、赤い胴衣を着けてたり、刀の柄に赤いリボンがあったりしますが、これが何で“赤の銃士”? という出で立ち。あと、持ってる刀が日本刀風な事もあって、ちょっと忍者っぽくも見えたりも。

で、まず良いところから書くと、結構な予算が掛けられたチャンバラ映画という点。騎馬アクションも盛り込んであったり、変に今時のVFXに頼らずに作ってあるのは好印象でした。

そして、男女ともに如何にも! という顔つきの役者さんたちが配されてるのも良かった。特に女優さんたちは、ヒロイン(洗濯女)に女剣士、伯爵夫人、女奴隷とバリエーション豊かに綺麗どころがズラ〜リ。セクシーシーンも多くて目の保養には十分!

そんな感じで、映像的には見どころのある作品だったんですが、最初に書いたようにTVシリーズの劇場版なモンで、お話の背景やメインキャラの説明が全部すっ飛ばされてるのはツラかった…。だって主人公が普段は何をしてるのか? や、彼とヒロインの関係性みたいなのがさっぱり判んないんだもの。

まぁ、「鞍馬天狗」「快傑黒頭巾」みたいな超ベタな昔懐かしいテイストのストーリーなのは見ているうちに察しはつくんですが、やっぱり簡単でもいいから何らかの説明は欲しかったなぁ。おかげで、最後までお話に入り込む事が出来なかったです。

というわけで、ほとんどの人が初見となる日本人にはかなりツラい作品でした。だからってTVシリーズもソフト化しろ! というのも…ですからねぇ。

で、本作でヒロイン役だったインマ・クエスタという美人さんが出演してるスペイン映画「マルティナの住む街」という作品もDVD化されます。

原題は'Primos'。今年のラテンビート映画祭で上映された、「蒼ざめた官能」のダニエル・サンチェス・アレバロ監督によるコメディ篇みたいです。