REC:レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの惨劇


Quarantine 2: Terminal (2011) - Official Trailer

原題は'Quarantine 2: Terminal'。「REC/レック2」のハリウッドリメイクじゃなく、「REC レック/ザ・クアランティン」の続編となる、ちょっとややこしいゾンビスリラーです。主演は「レッド・サンズ 呪われた兵士たち」でのチョイ役やTVシリーズのゲスト出演くらいしかキャリアのないメルセデス・マソーンと「ビューティフル・バディ」のジョシュ・クックという地味さですが、監督兼脚本を「追跡者」「ゴーストシップ」の脚本家ジョン・ポーグが務めています。これが初監督作かな?

ロサンゼルス空港を飛び立った国内便旅客機。だが乗客の一人が突然嘔吐したかと思うと発狂し、誰彼構わず暴れ始める。航空局の指示で空港へ引き返し、緊急着陸した旅客機。だが空港は封鎖され、ターミナル内に閉じ込められた客室乗務員や乗客たちを軍隊が取り囲んで…。

あのアパートでゾンビウイルスが発生したのと同じ夜に別な場所でも…という展開。ゾンビウイルスの発生源や感染ルートの説明なんかもあったりして、これは、えーっ、そっちの方へ行く?! まぁいいけどさぁ…だった「REC/レック2」に比べれば全然アリな話の広げ方だなぁと思いました。

ただ、今回“隔離”される場所が飛行中の飛行機内ではなく、空港ターミナルの中でも作業員たちが使う裏側の方という、一般人には広さや構造が判り辛い場所にしたのは失敗だったかな。おかげで、今どこで何をしてるのか、都合良くゾンビが隠れてたり裏口なんかが見つかるけど…等々、はっきりしない部分が多いせいで緊張感がボヤけちゃった印象。まぁ、ゾンビ + 飛行機内だと既に「デッド・フライト」という良作があるから、それと被りたくなかったのかも知れません。

逆に、「ダイ・ハード2」みたく、まるで巨大迷路のようなターミナルを上手く話の中に盛り込んで、決死の脱出劇! みたいになるのかな? とも思ったんですが、そういう使い方もしていない。他にも、結構な数、且つ、最初は個性的に見えた乗客たちそれぞれのキャラも上手く使いこなせてるとは言い難い。

とまぁ、正直うーんな部分が多い作品でしたが、これはもっと面白く出来そうな要素が散見してるからなんですね。単純に劇場未公開のB級ゾンビ映画として見れば、そこそこのグロ表現はあるし、まぁ全く見られない出来という事では無いかな。

そうそう、原題は'Quarantine'なので間違いじゃないんですが、「REC」という邦題が示すようなPOV的演出はほとんど無いです。一応、暗視スコープ越しの映像というのはありますけどね。

REC/レック 2 (Blu-ray Disc)

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