ザ・ホステージ

ザ・ホステージ [DVD]
1/8リリース トランスワールドアソシエイツ


『ザ・ホステージ』予告編

原題は'Off Screen'。実際に起きた立て籠もり事件をモチーフにしたオランダ・ベルギー合作によるサスペンスドラマです。主演はベルギー製アクションの傑作「ザ・ヒットマン」のヤン・デクレールと、オランダを代表する国際派俳優ジェローン・クラッベ。2005年のモントリオール映画祭で作品賞と主演男優賞(デクレール)を受賞した作品でもあります。監督は「ホラーバス オノバルと魔王フェルシ」のピーター・クイパーズ。

2002年3月11日、午前9時20分。アムステルダムのある高層ビルにやって来た初老の男が、受付の警備主任にいきなり銃を突きつけ、ビルをジャックしてしまう。彼の要求は、このビルの主である大企業フィリップス社の音響映像部門のトップ、ヴェッセリンクとの面会だった。だがフィリップス社は昨日このビルから立ち退いていて…。

デクレール演じる犯人は、時代に取り残されたベテランバス運転手。その性格から妻や子供には見捨てられ、会社からも疎まれている存在。そんな主人公が何故犯行に及んだのかを、立て籠もりの様子を交えながら描いていくという構成です。

見る前、そして序盤を見た段階では、超巨大企業が隠匿した犯罪を、事件を通して正義漢が暴き出すという社会派な告発ドラマっぽい話だろうと推察。個人的にその手のジャンルは苦手なので、だったらヤダなと思っていたんですが…。

実は主人公と、問題のフィリップス社の重役は意外なところで出逢っていた! フィリップス社のワイドテレビにクレームをつけていた主人公は重役にも噛み付くが、いつしか二人の間には…という、中盤からの展開には正直ビックリ。

そして、実はこの映画。告発モノというよりは、これから先の人生を孤独に暮らす事に怯える男の悲哀と、そのストレスから来る狂気を描いた人間ドラマだったのです!

しかもそんな役を演じるがヤン・デクレールで、それに真っ向から対峙するのがクラッベなんだから、二人による渋く充実した演技合戦だけでも見応え十分。

ジャケから想起されるような派手なアクションや、判りやすい謎解きみたいなものは無い。お色気要素も皆無。個人的好みから言っても、終盤はもっとグチャグチャに乱れていっても面白かったかと。しかし、映画好きなら見て損は無い中々の佳作だと思います。

さて、デクレールの「ザ・ヒットマン」のもう一人の主役といえば、「ロフト.」でも主演だったケーン・デ・ボーウ。彼が主演したベルギー製サスペンスアクション「HITMAN X. 復讐の掟」という作品も12月にリリースされます!


Trailer Dossier K.

※「HITMAN X.」の予告編

原題は'Dossier K.'。って、あれ? コレって同じ原作者による「ザ・ヒットマン」の完全な続編じゃんか! 当然デ・ボーウが演じるのも同じ刑事役! あのデカ部屋の面々も再登場! 今回は父を殺した組織に復讐を誓うアルバニア人ヒットマンとベルギー警察による三つ巴の戦いを描くストーリーのよう。残念ながらサンプル版が来てないんで、自分も正式リリース後に見たいと思います。

※見ました。今回も激シブ刑事アクションで見応えたっぷり。今回の“ヒットマン”はイケメンアンちゃんという事で(?)激しいガンアクションも展開します。

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