鶏小屋
原題は'El castigo'。「馬小屋」に続く監禁スリラーシリーズ第三弾は、実話をドラマ化したスペイン製のTVムービー。スタッフ、キャストは共に聞いた事の無いヒトたち。
2006年、スペイン。山奥にある矯正施設に集められた素行不良の若者たちが過酷な肉体労働を課せられていた。ルールを破った者には凄惨な罰が与えられるこの状況に耐えかねた彼らは、隙を見て逃げ出そうとするが…。
邦題の“鶏小屋”は、罰を与えられる前に放り込まれる檻が鶏小屋サイズ、というところから来てるようです。
で、中身の方ですが、言ってみればスペイン版「スパルタの海」といった内容。しかし、その出来はというと…。
まず、施設に集められた男女。スペインものらしく、男子はイケメン、女子はムチムチのカワイコちゃん揃い。それはイイとしても、揃いも揃って親のスネをかじってるくせに不平不満だけは一人前のバカ者たち。“教官”の隙を見て逃げ出す…のかと思ったら、小屋の影に隠れてエッチな事をするしか能が無い、スラッシャー映画で最初に殺されるようなヤツらなんですよ。
一方の“教官”サイドも、イイ顔はしているものの、上記のようなガキどもの振る舞いを見逃してしまうアホさ加減。別に愛を持った指導が行き過ぎて暴走…って感じでも無いし、一体全体コイツら何の目的でこんな事をやってるのかさっぱり判らないんだよなぁ。
一番の被害者であろう親たちも、子供のしつけは出来ないわ、こんな施設によく調べもせずに送り込むわといった、完全なバカ親、として描かれてる。
じゃあ、見てるこっちは誰に感情移入して見ればいいの? おかげで何が起ころうとも全然スリルを感じない、みたいな。
実話ベースだからか、TVムービーの限界なのか、エログロ両面の描写もヌルめ*1。オチもヒドいんだけど、これも含めて実話なのかなぁ?
結局、作り込み、練り込みが足りない作品だと感じました。映像だけはしっかりしてるんですけどね。施設がある荒涼とした丘陵地帯の風景だけが見どころかな。
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*1:何故かお母さんのベッドシーン&オッパイサービスはありますが…。